鶏卵輸出の伸びなどを紹介 平成30年度農業白書

政府は5月28日に平成30年度食料・農業・農村白書を閣議決定した。

今年の白書では、冒頭に「多発した自然災害からの復旧・復興」「現場への実装が進むスマート農業」「広がりをみせる農福連携」の3つを特集し、続くトピックスでは「農産物・食品の輸出拡大」「規格・認証・知的財産の活用」「消費が広がるジビエ」を取り上げている。

農産物・食品の輸出では、2018年の輸出額は前年比12.4%増の9068億円となり、6年連続で過去最高を更新したことを報告。その中で増加率が大きかったものとして鶏卵(49.4%増)を取り上げ、「特に鶏卵は、日本産の生食に適した品質を強調したプロモーションの効果等により、輸出先国・地域において需要が拡大」したと紹介した。

このほか、第1章「食料の安定供給の確保」、第2章「強い農業の創造」、第3章「地域資源を活かした農村の振興・活性化」、第4章「東日本大震災・熊本地震からの復旧・復興」について記述している。

「強い農業の創造」の中で紹介された主要農畜産物の生産動向では、鶏肉生産量について「2017(平成29)年度は、消費者の健康志向の高まりなどを背景に価格が堅調に推移し、生産拡大が行なわれたことから、前年に比べ3万トン(1.9%)増加し、過去最高の157万5000トンになった」とした。

鶏卵の生産量については、「加工用を中心に需要が旺盛なことなどを背景に価格が堅調に推移し、生産拡大が行なわれたことから、前年度に比べ4万3000トン(1.7%)増加の260万1000トンとなった」と紹介。特に、採卵鶏部門は大規模経営体による飼養羽数シェアが他の畜産部門に比べて高く、効率的な生産が最も進んでいるため、「採卵鶏の経営体においては、需給バランスを踏まえた生産を行なうことで、経営の安定を図っていくことが重要となっている」としている。