ニューカッスル病が190件発生 カリフォルニア州のバックヤード養鶏で

米国カリフォルニア州のバックヤード(裏庭)養鶏場で、悪性のニューカッスル病(Virulent Newcastle Disease)が続発し、米国農務省動植物検疫局(USDA-APHIS)の取りまとめでは、昨年5月18日から12月6日までの累計で190件となっている。

ワクチンや衛生管理の進歩などにより、米国では2003年以来、商業規模の家禽農場ではニューカッスル病は発生していない。APHISの発生報告リストによると、5月以降の感染例のほとんどはバックヤードの観賞用の鶏(Backyard exhibition chickens)で、このほかロサンゼルスの生鳥市場で1件、複数種の観賞用鳥類と愛がん用の七面鳥、観賞用のハトで各1件ずつ発生している。

感染拡大を食い止めるため、同州の首席獣医官(State Veterinarian)は同州の3つの町の周辺地域ですべての飼養家禽の殺処分を命じる指令を出している。

APHISのホームページでは、ニューカッスル病について「病原性が高く、感染すると多くの鳥が臨床症状を示さず突然死する」「ワクチン非接種鶏群では斃死率が100%に達することもある」「家禽産業や貿易に甚大な被害が及びやすい」ことなどを解説し、家禽の飼養者に衛生管理の強化と、異常を感じたらただちに通報するよう求める一方、食品安全上の問題にはならず、感染した家禽の肉を食べて人が発症した事例はないことなどを説明している。

商業規模の養鶏場でもNDが発生

APHISは12月15日、カリフォルニア州リバーサイド郡の養鶏場でニューカッスル病が発生したと発表した。米国の商業規模の養鶏場でニューカッスル病が発生するのは2003年以来15年ぶり。当局は、5月からの裏庭養鶏での続発に関連するものとしている。