前年比28%増の記録的な収量 04年産米国大豆
アメリカ大豆協会(西尾武彦日本代表)は11月19日、東京・霞ヶ関の東海大学校友会館でプレスコンファレンスを開いた。
コンファレンスには西尾日本代表のほか、米ワールド・パースペクティブズ社のエミリー・フレンチ副社長、アメリカ大豆協会本部役員で大豆生産者のケン・ダレンバーグ氏、アイオワ州立大学農業バイオシステム工学部のトム・ブラム教授らが出席し、2004年度産米国大豆の品質、生産状況、品質管理などを説明した。
ブラム教授の説明によると、2004年の米国の大豆生産量(速報値)は31億5,000万ブッシェル(8,590万トン)で前年比28%増の記録的な収量となった。この理由として、(1)作付けと発芽状況が過去4年平均より良かった(2)5月後半と6月初めに雨が多かったが作物には影響を与えなかった(3)年間を通して適度な水分と気温に恵まれた(4)8月後半に北ダコタ、南ダコタ、ミネソタ州で霜が降りたが、大きな問題にはならなかった(5)10月の降雨は収穫した大豆の水分レベルを幾分高くする結果となった(ただし問題になるほどではない)――を挙げた。
大豆の品質については、「全米平均(水分含量13%)でたん白質35.16%、油分18.70%と、記録的な収量にもかかわらず、たん白質の大きな減少もなく油分も横ばいで、品質を維持できた」とした。
このほか、「米国加工業者向けに高品質大豆を出荷しているものもある」「アジア大豆さび病の懸念はあるが、差し迫った脅威ではない。早期発見・処理が鍵になる」「生産者にとって1ブッシェル当たり0.35ドルのプレミアムがつく低リノレン酸大豆生産が増大している」などと報告した。