新名称は「国際畜産総合展2027 from IPPS」 養鶏・養豚からオール畜産へ 30年の伝統受け継ぎつつ全面刷新
(公社)中央畜産会(森山裕会長)は、これまで「国際養鶏養豚総合展(IPPS)」として開催してきた展示会について、新名称を「国際畜産総合展2027 from IPPS」に決定し、2027年5月19日から21日までの3日間、愛知県常滑市の愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)で開催すると発表した。養鶏・養豚に特化してきた構成から一歩進み、酪農・肉用牛・大家畜を含む〝オール畜産〟体制への拡大を図る。
IPPSは1992年に名古屋市で初開催されて以来、30年以上にわたり養鶏・養豚の最新技術・製品・情報の発信拠点として定着。前回の24年では216社・団体が出展し、約2万3000人が来場した。
今回の新名称には「IPPS」という歴史的ブランドを維持しながらも、全畜種を対象とする総合展示会へ発展させる意志を込め、「from IPPS」という文言が付けられた。
同展では、農用トラクターや飼料用機械、畜舎、環境保全装置、ICT機器といった施設・機械分野に加え、動物用医薬品、飼料添加物、家畜改良、経営支援、教育・研究、地域畜産物、行政など幅広い領域からの出展を見込む。出展者数300以上、来場者3万人を目標とし、講演会・セミナー、研究発表、企業プレゼンテーション、畜産物展示などを多数展開する予定。
今回の拡大開催は、全畜種を対象とし、研究から生産・加工・流通まで畜産バリューチェーン全体を網羅する欧州最大の畜産展示会「EuroTier(ユーロティア)」のような構成を参考にしたもの。海外からの出展者や来場者を積極的に招き、日本の畜産技術の国際発信力強化にもつなげる。
開催地の「愛知県国際展示場」は、中部国際空港に直結した展示場で、日本唯一の常設保税展示場。屋内最大3万平方メートル、屋外3.6万平方メートルの展示スペースを備え、調理設備も整っていることから、畜産物の提供・試食などにも対応できる。
中央畜産会では「これまでにない畜種横断・産官学連携の展示会として、イノベーション創出・研究開発・人材育成を促し、日本の畜産業全体の成長基盤を築いていく」としている。
開催までのスケジュールは、25年秋に出展案内を行ない、26年1月から出展申し込みを開始。同年秋に出展社説明会を実施する予定。最新情報は公式サイト(https://ipps.gr.jp)や各種SNS(インスタグラム、X、フェイスブック)で随時発信する。
同展実行委員会の委員は次の各氏。
委員長=中島功雄(㈱中嶋製作所)
副委員長=鈴木郁男(㈱岡田製作所)、友末琢磨(共和機械㈱)、南部邦彦(㈱ナベル)
委員=潤田久嗣(エム・エス・ケー農業機械㈱)、傳田聖一(オリオン機械㈱)、南部谷秀人(㈱コーンズ・エージー)、田野倉忠之(全農畜産サービス㈱)、髙橋学(㈱ダイヤ)、中野省吾(デラバル㈱)、陰山秀雄(東西産業貿易㈱)、櫻井教敬(日本ニューホランド㈱)、髙橋徹(㈱野澤組)、安田幸太郎(㈱ハイテム)、濵田拓(㈱濱田製作所)、吉田卓司(ヨシダエルシス㈱)、小菅鉄兵(緑産㈱)、近藤康二(〈公社〉中央畜産会)