鶏卵相場の低迷続く
成鶏更新・空舎延長事業発動から1か月
鶏卵相場は4月23日に東京、大阪とも各サイズが10円下げ、Mサイズはともに170円となった。東京と大阪の各サイズの総加重平均で示される標準取引価格は162円となり、『成鶏更新・空舎延長事業』の発動基準となる安定基準価格163円を1円下回ったため、平成25年度(4月13日から7月18日までに502万4000羽を処理)以来、5年ぶりに同事業が発動された。
同事業は、日ごとの標準取引価格が安定基準価格を下回った日の30日前(今年の場合3月24日)から安定基準価格を上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けると、事業に参加した生産者に奨励金を交付するもの。奨励金の単価は1羽当たり210円以内で、小規模生産者に配慮し、10万羽未満層は同270円以内となる。
なお、成鶏更新・空舎延長事業が発動中は、10万羽以上層には価格差補てん事業の補てんを実施しない。また、出荷された成鶏の処理に協力した食鳥処理場には1羽23円以内の奨励金を交付する。
『成鶏更新・空舎延長事業』発動後の鶏卵相場は、5月7日に東西でさらに下げてMサイズ165円、標準取引価格は157円まで下落したまま。今後は気温の上昇、梅雨入りとともに需要が減退し、価格も一段低い水準で推移することが予想されている。
今後の相場推移をみるうえでも『成鶏更新・空舎延長事業』発動1か月での参加羽数に関心が高まっているが、日本養鶏協会事務局は「参加羽数についてはその都度公表せず、四半期ごとを予定し、4~6月分の公表は6月末ごろの予定」とし、具体的な羽数は明らかにしていない。ただ、同会情報に近い筋からは「事業に参加している羽数は400万羽近くに達した」とか、「処理場との調整に苦労しているものの、330万羽が申し込んでいる」などの話も聞かれる。