成鶏更新・空舎延長事業 6月25日で発動停止
10万羽以上層の補てん復活
国の補助を受けて(一社)日本養鶏協会が実施している鶏卵生産者経営安定対策事業の『成鶏更新・空舎延長事業』は、今年4月23日に標準取引価格が安定基準価格(163円)を下回って平成25年以来、5年ぶりに発動したが、6月に入って需給が徐々に改善。20日に大阪で大玉サイズが値上がりしたのに続き、26日には東京でも大玉(LL10円、L5円)が値上がりして標準取引価格が164円となったため、25日で発動を停止した。
同事業は、東京と大阪の各サイズの総加重平均で示す日々の標準取引価格が、『成鶏更新・空舎延長事業』の安定基準価格(今年度は163円)を下回った日の30日前(今回は3月24日)から上回る日の前日までに、更新のために成鶏を出荷し、その後60日以上の空舎期間を設けてからひなを導入した生産者に奨励金を交付するもの。ただし、安定基準価格を上回った日の前日までに、食鳥処理場に鶏の出荷を予約した場合は、安定基準価格を上回った日から起算して30日後(7月25日)までは奨励金の交付対象となる。
奨励金の単価は1羽当たり210円以内(10万羽未満層は同270円以内)。出荷された成鶏の処理に協力した食鳥処理場にも1羽23円以内の奨励金を交付する。
今年度の同事業への参加申請羽数は、6月下旬の段階で530万羽前後になっていたようだが、事業の一時停止によって、実際の事業対象羽数は減少する見通し。また、事業停止に伴い、10万羽以上層の価格差補てん事業の補てん金支払いが復活する。
今回の鶏卵相場の回復については「一時的なもの」で、全体的に増産基調が続いているため、「需給は夏以降に再び悪化する」との声も多く聞かれ、同事業が再発動する可能性もあり、今後も楽観視できない情勢が続くとみられる。