家きんの飼養衛生管理基準の順守率は85.6%
農林水産省は、このほど平成29年11月30日時点の家きん農場における飼養衛生管理基準の順守状況を公表した。
各都道府県が100羽以上飼養の採卵鶏3884農場、肉用鶏3513農場、卵用種鶏128農場、肉用種鶏495農場、あひる82農場、うずら44農場、きじ60農場、ほろほろ鳥6農場、七面鳥9農場、だちょう(10羽以上飼養)34農場を調査した。
飼養衛生管理基準の全項目を順守している農場(指導後に改善された農場含む)は、全体で前年度の84.8%から29年度は85.6%に向上した。残り14.4%は現在指導中。
項目別では、全項目で順守率は90%を超え、特に課題であった「出入りする車両の消毒」と「出入りする者の手指・靴の消毒」については、鶏(採卵用と肉用)の農場の順守率が前年度の87.7~98.8%から29年度は91.7~99.2%に向上した。
一方、鶏(採卵用)における「防鳥ネットの設置・修繕」と「家きん舎の破損か所の修繕」の順守率が、前年度の94.6~97.7%から29年度は92.6~96.0%に低下している。これは、28年度に国内で発生した鳥インフルエンザを受け、家畜防疫員が野生動物の家きん舎への侵入防止について、最新の知見を踏まえた重点的かつ詳細な指導を行ない、改善指導中の農場が増えたことも理由の1つと考えられる。
採卵鶏、肉用鶏、種鶏の調査結果は次の通り。
〈採卵鶏〉基準を順守し、「指導不要」は100~1000羽で58.2%(前年57.8%)、1000羽以上で71.4%(同73.7%)。指導による「改善済」を加えた順守率は、100~1000羽で74.9%(同72.5%)、1000羽以上で81.7%(同81.7%)。
〈肉用鶏〉基準を順守し、「指導不要」は100~1000羽で73.5%(同69.9%)、1000羽以上で83.3%(同83.4%)。指導による「改善済」を加えた順守率は、100~1000羽で84.6%(同82.1%)、1000羽以上で90.4%(同90.4%)。
〈卵用種鶏〉基準を順守し、「指導不要」は100~1000羽で100%(同100%)、1000羽以上で92.9%(同95.6%)。指導による「改善済」を加えた順守率は、1000羽以上で94.4%(同97.1%)。
〈肉用種鶏〉基準を順守し、「指導不要」は100~1000羽で91.7%(同100%)、1000羽以上で90.1%(同92.8%)。指導による「改善済」を加えた順守率は、100~1000羽で91.7%(同100%)、1000羽以上で95.2%(同96.3%)。