7~9月期配合飼料 全農、トン約1550円値上げ
3期連続、円安などが要因
JA全農とホクレンは6月26日、7~9月期の配合飼料価格について、トウモロコシや大豆かす価格の値上がりや円安などを踏まえ、前期に比べ全国全畜種総平均でトン当たり約1550円値上げすると発表した。値上げは3期連続。商系の中部飼料、日清丸紅飼料も値上げを発表した。
配合飼料価格は、今年1~3月期には円安やトウモロコシ、大豆かすの値上がりに加え、昨年10月末にシトラール(ビタミンA・Eの原料)の供給で世界シェアの約6割を占めるBASF社のドイツ工場が火災で操業を停止し、プレミックス関係の需給ひっ迫により価格が上昇したことなどから値上げされた。4~6月期も、アルゼンチンの干ばつによる作柄悪化などの影響で、トウモロコシや大豆のシカゴ相場が高値傾向で推移したことから値上げされた。
7~9月期についても飼料情勢や円安の影響で値上げとなったもの。飼料基金からの4~6月期分の補てんは7月下旬、7~9月期分は10月下旬に基金の理事会で決定される。
全農が発表した飼料情勢の概要は次の通り。
▽飼料穀物=トウモロコシのシカゴ定期は、3月には380セント/ブッシェル前後で推移していたが、3月29日発表の作付け意向調査で、米国産新穀の作付面積が減少する見通しとなったこと、産地において低温多雨による作付遅延の懸念が高まったことなどから、400セント/ブッシェル台まで上昇した。その後、天候が改善し、米国産新穀の生育が順調に推移していることなどから、現在は370セント/ブッシェル前後となっている。今後は、夏場の受粉期に向けて、天候に左右される相場展開が見込まれる。
▽大豆かす=大豆かすのシカゴ定期は、3月には410ドル/トン前後であったが、米国産新穀大豆の作付面積が減少する見通しとなったこと、南米産大豆の不作により南米産大豆かすの輸出が大幅に減少し、米国産大豆かすの輸出需要が増加すると見通されたことなどから、430ドル/トン台まで上昇した。その後、米国産新穀の作付進捗が平年並みとなり、生育も順調に推移していることなどから、現在は380ドル/トン前後となっている。国内大豆かす価格は、シカゴ定期の上昇と為替の円安により、値上がりが見込まれる。
▽海上運賃=米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、2月には45ドル/トン前後であった。その後、南米産大豆の輸送需要が一段落したものの、原油相場が堅調であるため、現在も45ドル/トン前後となっている。今後は、南米産トウモロコシの輸送需要が本格化することから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれる。
▽外国為替=外国為替は、3月には1ドル=106円前後であったが、中東や朝鮮半島における国際紛争リスクが低下するとの期待や、良好な米国経済指標により利上げ観測が強まったことなどから円安が進み、現在は110円前後となっている。今後は、米国の経済・産業政策の動向や、地政学的リスクなどを材料に、相場は現行水準で推移するものと見込まれる。