『はかた地どり』誕生30周年 年間出荷60万羽以上目指す

福岡県産の地鶏『はかた地どり』の誕生30周年を祝う記念式典が3月27日、福岡市博多区のホテルオークラ福岡で開かれ、同鶏種の開発、生産、普及に携わる多くの団体や企業の関係者ら約170人が出席した。

はかた地どりは昭和62年に、福岡県農林業総合試験場が開発し、(農)福栄組合が生産を開始。シャモとサザナミを交配した雄に、雌の白色プリマスロックを配し、平均80日齢以上で出荷しているため、地鶏ならではのコクと旨みがありながら「歯切れが良い」のが特長とのこと。郷土料理の「がめ煮」や「水炊き」などにぴったりの鶏肉として出荷羽数は徐々に増加し、現在は11農場で年間約60万羽の出荷が見込めるまでになっている。

式典の冒頭では、主催者を代表して福岡県はかた地どり推進協議会の秋吉智司会長(福栄組合代表理事)があいさつし、生産現場の近況について「消費者に安全な鶏肉を安心して食べていただくことを目標に努力していく。そのため、北九州の農場では、肉用鶏としては全国に先駆けて農場HACCP認証を取得した。残りの10農場でも推進農場の指定を申請していく。さらにHACCPに対応した食鳥処理場を新設し、衛生面と品質管理を徹底して、香港への輸出などグローバルな視野を持って、60万羽以上の出荷羽数を目指したい」と紹介した。

多数の来賓を代表して、福岡県の小川洋知事、福岡県議会の樋口明議長、福岡県畜産協会の藏内勇夫会長、(一社)日本食鳥協会の佐藤実会長が祝辞を述べた。この中で小川知事は、香港への輸出や農場HACCP認証の取得など、販売拡大や衛生管理向上に向けた福栄組合の積極的な取り組みを称えたほか、むね肉の機能性成分を生かした加工品の研究開発予算の審議を県議会にお願いしていることなどを紹介。「これからも、はかた地どりの生産・販売がより一層拡大するよう、県としても積極的に支援していく。皆様のご理解とご協力を引き続きよろしくお願いする」と述べた。

はかた地どりの販売拡大や普及に貢献している㈱イズミの山西泰明社長、㈱きちりの平川昌紀社長、㈱ハローディの長嶺公執行役員常務、㈱ローソン商品本部デリカ・FF部の岩崎廣幸統括部長に、秋吉会長から感謝状が授与された。

「『はかた地どり』30年の歩みと今後の展望」と題した動画を上映し、はかた地どりの生産者の皆さんを1人ずつ紹介。

引き続き開いた祝宴では、来賓各氏による鏡開きに次いで、原口剣生福岡県議(自民党県議団会長)の発声で乾杯。ホテルオークラ福岡の谷内雅夫取締役総料理長から、はかた地どりを使った料理が披露され、祝電披露ののち、終始なごやかに歓談。全農福岡県本部の倉重博文会長の音頭で万歳三唱してお開きとなった。