全農市況予測
全農は、このほど7~8月の畜産物市況予測をまとめた。鶏卵、食鳥の見通しは次の通り。
〈鶏卵〉
7月=供給面では、暑さが厳しくなり、個卵重の低下が見込まれる中、年末年始にえ付けされた大規模な若齢ロットの産卵が集中するため、小玉サイズの発生量がさらに増加することが予想される。需要に見合った本格的な生産抑制が急がれる。
需要面では、気温の上昇で鶏卵消費は一段と落ち込むことが予想される。加工関係の小玉注文や市場隔離の動きは前年より縮小する見込みであり、受け皿を失った行き場のない余剰玉が大量に発生する可能性は極めて高い。
市況は、Mサイズ月間平均で120円前後(前年140円)か。
8月=供給面では、盆休みを見据えた生産調整の実施と、暑さによる産卵率・個卵重の低下が見込まれるため、大玉サイズを中心に生産量の抑制が進む時期であるが、稼働羽数水準が極めて高いため、供給過剰の状況が改善されない可能性が強い。
需要面では、暑さが続き、販売不振が続くものと思われる。例年であれば、盆明け以降、量販店の積極的な特売実施などにより需要回復が期待されるところであるが、鶏卵の特売実施率は今だ下降線をたどっており、活況は見込めない。
市況は、Mサイズ月間平均で130円前後(前年149円)か。
〈食鳥〉
7月=国内出荷は、計画処理羽数が前年比102.3%、同処理重量が同100.9%と大きな変化はみられない。輸入に関しては、中国産のストップに伴い、すでにブラジル、タイなどへのシフトの動きもみられるが、当分の間、大きな混乱が続くことは避けられない。
需要面では、加工原料については、輸入品の代替として手当買いが見込まれるものの、その他は串物などの季節需要を除き大きな荷動きは期待しにくい時期となる。特に生鮮品の動きが鈍い中で、ももについてはさらに余剰感が強まる懸念も捨てきれない。
市況は、引き続き弱基調の展開となり、月間平均ではもも490円(前年610円)、むね205円(同206円)か。
8月=国内出荷は、計画処理羽数が前年比98.5%、同処理重量が同98.9%となっており、日本食鳥協会が要請した重量ベースでの出荷調整が徐々に反映してくることが期待される。
需要面では、夏本番となり、一定の行楽需要も見込まれるとはいえ、本格的な荷動き回復の材料には乏しい状況が続く。需給情勢が好転するためには国内生産の抑制が必須となろう。
市況は、保合いを軸に様子見の展開となろう。