エヌチキン第3加工場が稼働 種鶏・成鶏の加工品を製造

初年度売上高17億円を見込む

鶏ミンチやタタキ、炭火焼きなどを製造するエヌチキン第3加工場

各種の検査機器を設置し、食の安全・安心を支える検査室

㈱エヌチキン(徳満義弘社長―本社・鹿児島県南九州市知覧町郡3669)は、グループの南薩食鳥㈱とともに処理した種鶏や成鶏肉を加工する新工場『エヌチキン第3加工場』を順次稼働させている。

エヌチキン第3加工場は、旧工場の老朽化を受けて「強い農業づくり交付金」「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」などの補助事業を活用し、本社近くの敷地に総事業費約15億2220万円をかけて建設。今年3月末に完成した。また、新たに20人を雇用した。

製造ラインでは、最新型の過熱蒸気オーブンや炙り機、コンタクトフリーザー、トンネルフリーザー、深絞り真空包装機などを用いて「鶏ミンチ」「鶏タタキ」「炭火焼き」「ハム・ソーセージ」などの加工品を製造する。

このうち鶏タタキの製造能力は、旧工場の2倍に当たる1時間当たり400キロ、炭火焼きは同約1.3倍の1日2300キロ。深絞り真空包装機は同2倍の1日1400キロまで対応可能となった。

初年度の生産量は鶏ミンチ2536トン、鶏タタキ802トン、炭火焼き553トンの計3891トンを予定。外食筋や量販店、食品加工メーカーなどに販売し、年間売上高約17億1704万円を見込む。

同社の濵﨑隼人常務は新工場の特徴として①加工品の生産能力が大きく向上②色彩選別機やX線異物検出機の導入で管理体制を強化③空調を効率化し空気清浄度をアップ④鶏タタキ製造ラインで最適な殺菌処理を確立――したことを挙げ、「品質管理がさらに強化され、新たな商品の開発や、より良い提案も行なえるようになった。来年1月には食品安全マネジメントシステム『ISO22000』認証も取得する予定」と話している。

徳満義弘社長は、第3加工場で同社の経営理念『種鶏・親鶏の付加価値の創造』を実現したいとと強調し、「当社の加工品と肉製品の製造比率は4対6だが、昨年オープンした『南薩食鳥宮崎工場』と新工場がフル稼働すれば、我々が目指す6対4の比率となる。この厳しい業界で生き残るには差別化が必要であり、今後も肉製品のチルド供給や、高付加価値の加工品製造に努めたい。幸いにも、南九州には鶏の独特な食文化が残っており、我々はそれをずっと守ってきた。工場新設を機に、販売エリアを九州に限らず、全国に拡大したい」と意欲を見せている。

エヌチキン第3加工場の概要は次の通り。

▽所在地=鹿児島県南九州市知覧町郡3690-1 〒897-0302▽敷地面積=1万3485平方メートル▽延べ床面積=3540平方メートル(1階2619平方メートル、2階921平方メートル)