国産鶏による卵と肉に特色JASマーク 農林水産省が制定・施行

日本農林規格(JAS)の見直しを進めている農林水産省は、3月17日付で新たな日本農林規格「持続可能性に配慮した鶏卵・鶏肉」を制定・告示し、4月16日に施行した。

この規格は、国産鶏普及協議会から原案を添えて、日本農林規格を制定すべきとの申し出があったことから、昨年12月10日に開いた日本農林規格調査会で審議したもので、基本的に妥当と判断され、農林水産大臣が制定した。

この農林規格は、国内で育種改良された国産の卵用鶏と肉用鶏を使い、国産飼料用米を5%以上給与して生産する殻付卵と鶏肉(ささみ、こにく、かわ、あぶら、きも、すなぎも、もつ、がら、足を含む)について持続可能な開発目標に基づき、①アニマルウェルフェアへの配慮や衛生管理②騒音や悪臭などの周辺環境への配慮③家畜排せつ物の鶏ふんを肥料やエネルギーなどとし利用④防疫管理の推進⑤従事者と入場者の衛生管理の徹底、従事者の安全衛生・労務管理――などの基準を満たして生産されたものに、地鶏肉JASと同じように特色JASマーク(信頼の日本品質をイメージできるよう、日本を象徴する「富士山」と日の丸を連想させる「太陽」を組み合わせたデザインのマーク)をつけることができるようにしたもの。

今後、認証機関や認証のための料金が定められ、申請手続きが行なわれることになるが、基準となる国産鶏については、卵用鶏は㈱後藤孵卵場の「さくら」「もみじ」、㈱小松種鶏場の「岡崎おうはん(卵肉兼用種)」「あずさ」、高知県の「土佐ジロー」、愛知県の「卵用名古屋コーチン」などで、農水省の資料などによると国内に流通する鶏種の約4%程度(96%がいわゆる外国鶏)のシェア。肉用鶏は(独)家畜改良センター兵庫牧場が改良した「はりま」「たつの」、都道府県で作出した実用鶏(地鶏)などで、シェアは約2%程度(98%は外国鶏)となっている。

このような中で、今回の特色JASの「持続可能性に配慮した鶏卵・鶏肉」が、どのように国産鶏の地位を高めていくか注目される。