1人当たり鶏卵消費量、日本は337個で2位 IECの2018年各国報告データ(上)
消費量の増加報告は21か国
IEC(国際鶏卵委員会)は、各国のレポーターが報告した2018年次の統計数値をまとめて会員向けに公表した。概要を2回にわたって掲載する。今回は鶏卵消費量、飼料価格と生産コスト。
鶏卵消費量
1位はメキシコの368個(前年比5個増)、2位が日本の337個(同4個増)、3位がロシアの307個(同2個増)、4位がコロンビアの293個(同14個増)、5位が米国の284個(同8個増)の順。6位のアルゼンチンは271個(同9個減)で順位を1つ下げた。7位のスペインは260個(同7個減)となったが順位は2つ上がった。8位の中国は255個(同52個減)で、順位は昨年の3位から8位へと大きく下げた。9位のカザフスタンは254個(同14個減)で順位を1つ下げた。10位のカナダは253個(同11個増)で順位を3つ上げた。
前年も報告のあった33か国のうち、消費量が増えたのは21か国、減少したのは9か国、変化なしが3か国。
鶏卵消費量の増加要因としては、各国の経済成長や生産技術の普及に加え、先進国では健康面でも欠かせない食品として科学的な評価が高まる一方、最大の懸念材料であったコレステロール摂取基準値が次々と撤廃されるようになり、卵の良さが広く消費者に認知されつつあることが挙げられる。
2014年に343個の報告があったマレーシアは、翌15年は315個に減少し、16、17、18年のの報告はない。ベルギーも14年以降の報告はない。
飼料価格と生産コスト
IEC加盟各国のうち、毎年報告がある主要な鶏卵生産国の1トン当たり飼料価格と、鶏卵生産コスト(農場出荷時の原卵1ダース当たり、いずれも米ドルベース)のうち、2018年の1トン当たり飼料価格が最も安いのは、イランの169.20ドル。前年の半値近い数字になっており、米国による経済制裁で急激なインフレと、対ドルでの通貨(イランリアル)安が進んでいるためとみられる。2位はカザフスタンの196.51ドル、3位は米国の221.50ドル、4位はロシアの238.96ドル、5位はペルーの245.00ドル。基本的に、穀物を自国で調達できる国が安いことが分かる。
高い順では、1位は日本の593.88ドル、2位はスイスの577.57ドル、3位は英国の374.71ドル、4位はメキシコの373.71ドル、5位はニュージーランドの269.30ドルと続いている。
日本の飼料価格については、農林水産省・飼料課の流通飼料価格等実態調査の配合飼料成鶏用バラ1トン工場渡し価格が報告されているものとみられる。実際の生産者段階ではもっと安い価格が実態とみられるが、こだわりの飼料による卵のおいしさや品質などで差別化を図っている生産者では、まれにこの価格以上になっているものもある。
1ダース当たりの鶏卵生産コストは、安い順で1位はイランの0.42ドル、2位はカザフスタンの0.51ドル、3位はインドの0.59ドル、4位は米国の0.60ドル、5位はアルゼンチンとコロンビアの0.66ドル。
高い国の1位はスイスの3.07ドル、2位はカナダの1.59ドル、3位は日本の1.23ドル、4位はキプロスの1.12ドル、5位はフィンランドの1.09ドル、6位は英国とスロバキアの1.08ドルと続いている。(つづく)