千葉県の台風被害 農林水産業は412億円

千葉県は10月4日、台風15号による農林水産業の被害額の合計が約411億6700万円になったと発表した。前回集計(9月26日)から約44億500万円増えた。このうち畜舎などの施設は君津市、市原市、旭市を中心に275ヘクタール・約35億1900万円(同17ヘクタール減・約7億600万円増)。

畜産の被害額は約9億9600万円(同約2億5900万円増)。このうち採卵鶏・ブロイラーなどは市原市、山武市、袖ケ浦市を中心に44万羽・約5億4300万円(同17万羽増・約1億6000万円増)、その他家畜(乳用牛・豚など)は成田市、銚子市、八街市を中心に6907頭・約2億3900万円(同1547頭増・約4000万円増)、畜産物(生乳・鶏卵など)は香取市、南房総市、君津市を中心に1696トン・約2億1400万円(同136トン増・6000万円増)となっている。

被害調査は継続して行なっており、今後も積み上がる可能性がある。

神奈川県が9月26日に発表した農畜産業の被害額(農業用ハウス、畜舎の破損、野菜、果樹の損傷など)は約4億5500万円となっている。

農水省が支援策公表

農林水産省は、今年8月から9月の前線に伴う大雨(台風10号・13号・15号の暴風雨含む)と、台風17号による農林水産関係被害の支援対策を10月1日に公表した。

支援策は、①災害復旧事業等の促進②農業用ハウス、共同利用施設等の導入の支援③油流出への対応④共済金の早期支払い等⑤災害関連資金の特定措置⑥営農再開に向けた支援⑦被害農業者の就労機会の確保、被災農業法人等の雇用の維持のための支援⑧農地・農業用施設の早期復旧等の支援⑨林野関係被害に対する支援⑩水産関係被害に対する支援⑪停電への対応⑫災害廃棄物処理事業の周知⑬地方財政措置による支援――など。養鶏に対する支援策は次の通り。

①被災した養鶏農家に対し、発電機の借り上げ等を支援する=停電時の電力確保に要した発電機の借り上げなどへの支援で、補助率は2分の1以内。

②鶏卵生産者経営安定対策事業の鶏卵価格差補てん事業で、被災した鶏卵農家に対し、積立金の減額や積立金残額の返還を実施する。