山本会長を再任 日本種鶏孵卵協会

副会長に坪井、山下、大坪氏

日本種鶏孵卵協会の定時総会であいさつする山本会長

 

(一社)日本種鶏孵卵協会(山本満祥会長)は5月17日、東京都中央区の馬事畜産会館で第43回定時総会を開き、各議案を原案通り承認するとともに、役員の選任では山本会長の再任などを決めた。

冒頭あいさつした山本会長は「明治150年記念と今上天皇在位30年に当たる今年は各地で記念行事もたくさん行なわれると思うが、個人的には皇室とニワトリの関係は大変深く、この際、鶏肉を一挙に提供して盛り上げていただければありがたい」と述べるとともに、同会の取り組んでいる事業について触れ、「鶏卵・鶏肉の生産と需給の安定を図るための適正な生産指標となる種鶏の導入調査と、ひな孵化羽数調査を行なって自主的な取り組みに役立てている。

採卵鶏を1万5000羽くらい飼養している生産者が億の単位で利益を上げたようなことがあったが、私どもの独立孵化場で、億単位の決算をしているのは少ないと思われる中で、ひなの値上げをしたいという話がよく出るため、昨年度はひなの生産費についても調査した。

また、飼養技術を上げて、鶏の成績を上げ、お客様に良いヒヨコを提供していかなければならないということで、昨年度からJRAの助成を受けて種鶏孵卵場防疫対策強化事業を実施、ワクチンのないコクシジウム症について調査した。

そのほかいくつかの事業を行なっているが、本年度も引き続いてしっかりとやっていきたい。と思っている」などと述べた。

来賓として出席した農林水産省生産局畜産部畜産振興課の赤松大暢課長補佐、(公社)中央畜産会の強谷政彦専務理事、(一社)日本食鳥協会の佐藤実会長、(一社)日本養鶏協会の阪本英樹事務局長が祝辞を述べた。

副会長の大畑哲也㈱大畑シェーバー孵化場社長を議長に、平成29年度事業報告・決算、30年度事業計画・予算、会費や借入金最高限度額の決定、役員改選などの各議案を審議したが、いずれも原案通り承認した。

30年度の事業計画は、ほぼ前年度通りで「公益目的事業」は、①種鶏導入調査事業②鶏ひな孵化羽数調査事業③鶏卵・鶏肉の消費促進事業④JRA畜産振興事業(29年度からの3か年事業の種鶏孵卵場防疫対策強化事業、30年度からの3か年事業の孵化場体質強化推進事業、30年度の国の助成も受けた地鶏等生産振興推進事業)。

自主財源事業の「種鶏孵卵経営対策事業」は、①種鶏・孵卵経営セミナー事業と地域協議会・各部会等組織強化対策事業②30年度総会・理事会の開催③協会独自事業(種鶏・孵卵経営セミナー)など。

新役員は次の各氏。

会長=山本満祥(㈱山本養鶏孵化場社長)

副会長=坪井伸博(㈱坪井種鶏孵化場社長)、山下眞(㈱一宮家禽孵卵場社長)、大坪研太郎(松阪コッブファーム㈱社長)

常務理事=米田勝紀(学識経験者)

理事=谷藤広志(小岩井農牧㈱小岩井農場種鶏部長)、小出公彦(千葉孵化場㈱社長)、森康一(㈱三重ヒヨコ社長)、岩村忠衛(㈲岩村ポートリー社長)、車田信彦(㈱福島エンヤ社長)、山形哲也(㈱山形種鶏場社長)、森泰三(㈱森孵卵場社長)、宮園秀光(㈱イシイ取締役)、後藤直樹(㈱アイエスエージャパン代表取締役)、日比野義人(㈱後藤孵卵場社長)

監事=都丸高志(㈱トマル社長)、山上祐一郎(㈱福田種鶏場社長)

総会後の記念講演では農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課の古川明課長補佐が「飼料添加物を巡る情勢」のテーマで講演し、今年7月で飼料添加物のコリスチンが指定取り消し・使用禁止となるほか、テトラサイクリンも今年度中に結論が出る見込みだとした。