鶏卵(正常卵1キロ当)148円、ブロイラー(生体1キロ当)154円 13年のコスト
農林水産省は去る12月20日、平成13年の農業経営部門統計を公表した。
それによると、3千羽以上の採卵養鶏の1戸当たり平均農業所得(全体、1部3千羽未満含む)は634万2,300円で前年比94.3%、採卵養鶏部門のみの平均農業所得は470万1,000円で同85.2%であった。このように所得が減少したのは、卵価の低迷が影響したものとみられる。
年間出荷3万羽以上のブロイラー養鶏の1戸当たり平均農業所得(全体、1部3万羽未満含む)は761万1,000円で同112.2%、ブロイラー養鶏部門のみの平均農業所得は689万400円で同108.9%で、13年後半からの相場上昇が所得の上昇につながった。
採卵、ブロイラーの13年の部門別内容は次の通り。
《採卵》
13年の採卵養鶏部門のみの粗収益の平均は、3,581万2,100円で前年比98.9%。これに対し、経営費は3,111万1,100円で同101.4%。差し引きした養鶏所得は470万1,000円で、同85.2%と減少した。粗収益に対する所得率は13.1%(前年15.2%)と低下した。
養鶏所得が減少したのは、13年の卵価が前年を約11%下回った影響が大きい。
経営費の内訳を平均でみると、ひな代が全体の12.3%(前年16.8%)を占める381万2,900円で前年比73.9%と減少したが、飼料代は同67.4%(同62.4%)を占める2,097万7,900円で、同109.5%と増加した。この2費目で全体の79.7%(同79.2%)を占めている。
経営費を飼養羽数で割った1羽当たりの経営費(コスト)は2,330円(同99.9%)、正常卵生産量で割った1キログラム当たりの経営費は前年を4円上回る148円であった。
規模別では3千羽以上の平均が147円(前年144円)、3千~1万羽が160円(同151円)、1万羽以上が144円(同142円)で、いずれの階層も上昇している。
《ブロイラー》
13年のブロイラー養鶏部門のみの粗収益の平均は6,681万6,900円で前年比104.1%、これに対し経営費は5,992万6,500円で同103.6%。差し引きした養鶏所得は689万400円で同108.9%と上昇した。粗収益に対する所得率は10.3%(前年9.9%)と上昇した。所得が向上したのは、ブロイラー相場が前年を約6%上回ったのが大きい。
経営費の内訳を平均でみると、ひな代が全体の17.6%(前年17.3%)を占める1,054万8,400円で前年比105.1%、飼料代が同65.9%(同66.1%)を占める3,947万2,400円で同103.2%で、この2費目で全体の83.5%(同83.4%)を占めている。13年の販売(出荷)羽数は前年を0.7%上回る14万2,776羽で、経営費を販売羽数で割った1羽当たりの経営費(コスト)は420円で前年の408円より2.9%増加した。
農林水産省統計情報部の13年のブロイラー出荷統計によると、1羽当たりの生体重は2.73キログラムで、これを基にした生体1キログラム当たりの経営費(コスト)は154円(前年150円)で4円(2.7%)高となっている。
規模別の生体1キログラム当たりは、販売羽数3万羽以上が154円(前年150円)、3万~10万羽が160円(同156円)、10万羽以上が153円(同149円)となっている。