IECの「ワールド・エッグ・デー」

卵の記念日、世界でも盛り上げ活発に

国際鶏卵委員会(IEC)は、今年10月9日(毎年10月の第2金曜日)の「ワールド・エッグ・デー」を大きく盛り上げようと各国に発信(本紙9月5日号でも紹介)。多数のオンラインイベントなどが様々な国で開かれたことを、国名の頭文字のABC順で次のように紹介している。

【オーストラリア】同国の人が好きな卵料理をSNSで募るオンラインイベントを開催。有名シェフのアダム・リアウ氏が、自身が好きな世界の卵料理をたくさん作り、作り方の動画も公開。視聴者が好みの料理に投票した。大手生産者のサニークイーンファームズはSNSのフェイスブックやリンクトインで、創作卵料理や、卵の栄養価値などを発信。家族が台所で一緒に卵料理を作るよう啓発するニュースリリースも配信した。

【バングラデシュ】畜産協会などが「ワールド・エッグ・デー」のイベントを企画。卵の配達や特別プレゼント、現地テレビ局のバレンドラTVでのトークショーなどを実施したとのこと。

【ブラジル】子どもたちの卵消費を増やすため、卵の栄養の高さを紹介する動画をユーチューブで配信。大学生の音楽グループらが〝卵の啓発に貢献するベストソング〟などをSNS上で競うイベント「エッグ・ミュージック・フェスティバル」も初めて開催したとか。

現地の鶏卵関係団体(ASGAV/Ovos RS)も、卵の免疫や栄養、健康への良さを啓発し、医療関係者への感謝を示すキャラクターの人形や特製の本を作成して配布した。

中南米家きん協会傘下の中南米卵業協会(Latin American Egg Institute)も、卵消費のメリットを啓発するメディアキャンペーンを複数の国々で実施。

【カナダ】鶏卵団体(エッグ・ファーマーズ・オブ・カナダ)が3人の有名シェフと多数のブロガーを起用し、マスメディアやSNSで彼らの好きなデビルドエッグのレシピを発信。卵好きのカナダ人がネット上などでつながれるようなキャンペーンを展開した。新鮮で高品質な食べ物を毎日届けてくれる食品生産・流通関係者を「チャンピオン」として称える動画も作成。アルバータ州など地域の鶏卵団体も独自のイベントを実施した。

【カメルーン】地域の慈善団体が、卵を摂取するメリットを啓発したり、カメルーンで最も愛されている卵料理を決めるキャンペーンをSNSなどで展開。

【中国】「ワールド・エッグ・デー会議」を10月9、10日に北京で開き、「素晴らしい卵の品質―明るい未来に向かって」とのテーマで、卵の科学的な生産・栄養・安全・社会的責任などについて話し合ったという。

【インド】IEC会長のスレシュ・チットゥリ氏が経営する同国大手のスリニバサ・ファームズがSNSでキャンペーンを実施。卵の栄養価値や持続可能性の高さを啓発するコンテンツや、週ごとのクイズも発信し、恒例の卵料理のコンテストも開催したという。卵の重要な役割を広く伝えるため、著名人やインフルエンサーの協力も得て、卵の消費拡大をテーマとしたウェビナーもワールド・エッグ・デー当日に開いたとか。

【アイルランド】食品協会団体と協力し、主に20~30歳代の消費者に向けて、年齢を問わない卵の汎用性や健康への良さを、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターで発信。

【ケニア】ナイロビのスラム(Mukuru)で医療とソーシャルサービス、子どもたちへの卵を使った朝食、卵を食べるメリット、卵料理の作り方などの学習の機会を提供。

【ラトビア】鶏卵企業(Balticovo)がワールド・エッグ・デー前後に、首都リガで3人の有名シェフがメディア関係者らに高度な卵料理を教えたり、子どもたちが楽しめるイベントを企画。スクランブルエッグなどの卵料理を配るフードトラックも、各地に出動させた。

【メキシコ】養鶏協会(Instituto Nacional Avicola)が、Zoomやフェイスブックなどのツールを使って、卵の歴史や、卵を多用するメキシコの朝食メニューなどを話し合った。

【ネパール】獣医学生の協会が、ポッドキャスト(好きな時に聞けるインターネット上のラジオ番組配信サービス)を使って「卵の素晴らしさ・産地から食卓へ(Egg-cellence; Production to Plate)」のテーマで卵の栄養価値、健康への良さ、生産と消費、経済への貢献などについて発信。

【オランダ】家禽団体(Avined)がSNSで卵の健康への良さを発信。

【ニュージーランド】=「ILOVEeggs」と銘打って、卵料理のレシピコンテストを開催。優勝者には1年分の卵をプレゼントする。

【ナイジェリア】デイケア団体が、ゆで卵を貧しい子どもたちにプレゼントし、同国の家きん協会も卵の知識啓発活動の一環で、病院や児童養護施設、矯正施設を訪問したほか、インターネット上でワールド・エッグ・デーを祝うキャンペーンなどを実施。鶏卵団体は卵の殻剥き競争を催し、現地の鶏卵企業(Funtuna Eggs)は特製の帽子やレシピ本が当たる〝卵のトリビアクイズ〟をSNSで実施した。

【パキスタン】大学と家禽学術団体が、卵料理コンテストや知識啓発活動、セミナーなどを実施。

【フィリピン】生産者団体(Batangas Egg Producers Cooperative)が著名人やシェフ、栄養学者を起用し、フェイスブックで卵の知識を啓発。

【ポーランド】大手生産者(Fermy Wozniak)が主に親子を対象に卵を「スーパーフード」として紹介する記事やレシピを配信。今年は主にネット上で展開しているシンガポールでのポーランドPRイベント(Shiok Festival)では、同社がシンガポールの有名ブロガーのセス・ルイ氏を招いて卵のレシピを紹介。児童基金団体とも協力し、ポーランド全体の学校の子どもたちに卵の栄養価値に関する情報を発信した。

【ロシア】モスクワで開く家禽フォーラムで専門家が講義。

【南アフリカ】家きん協会がテレビやラジオ、SNSを使って卵の栄養について宣伝し、卵料理の募集や卵の絵のコンテストなどを実施。栄養士らもターゲットとして卵をメニューに加えるメリットを啓発した。

【スペイン】鶏卵団体(Instituto de Estudios del Huevo)が、卵に含まれるコリンが認知機能に果たす役割について解説するセミナーを実施。農業や医療関係の記者会向けにも「卵、完璧なたんぱく源をはるかに超えるもの」と題したウェビナーを開催。卵の持続可能性の高さや栄養価値を発信したほか、卵の情報発信や料理、文化に貢献した個人や組織を表彰する「ゴールド・アワード」を実施。その年に最も顕著な研究成果を挙げた卵の研究者も表彰した。

【英国】「ブリティッシュ・ライオン・ウィーク」と銘打って、SNSでインフルエンサーが勧める〝激ウマ卵レシピ〟などを発信。

【米国】大手生産者のセンター・フレッシュが地域住民に、朝食としてオムレツを配布。エッグチェアでの記念撮影イベントなども実施した。

このほか企業では、DSMがワールド・エッグ・デーに合わせた動画(Meet DSM’s EggFamily!)をユーチューブに投稿。卵の形をしたキャラクター「〝小さな殻に栄養が詰まったすごい卵の家族〟(EggXtraordinary EggFamily-Little‘shells’of nutrition)」が「筋肉の成長を助ける」「肌や髪を健やかに保つ」「最も持続可能性が高いたんぱく源」などの「エッグサイティング(EggXiting)な知識」を紹介し「卵に感謝しよう」と呼びかけるもので、10月12日時点で8万4000回以上再生されている。