鶏用ワクモ駆除剤『エグゾルト』を発売 MSDアニマルヘルス

飲水投与で即効性、簡便性、高い有効性を示す

日本初の飲水投与による鶏用ワクモ駆除剤『エグゾルト』

MSDアニマルヘルス㈱(本社・東京都千代田区)は、鶏用ワクモ駆除剤『エグゾルト』の製品概要を紹介するウェブセミナー「エグゾルト ロンチセミナー」を7月26~30日に配信した。

鶏用ワクモ駆除剤『エグゾルト』は、日本初の飲水投与によるワクモ駆除剤で、即効性、簡便性、高い有効性を示す。鶏の体重1キロに対し『エグゾルト』0.05ミリリットルを飲水に添加し、7日間隔で2回投与することで、ワクモの2回分のライフサイクルを絶ち、約99%の駆除効果を示す。

『エグゾルト』は卵に対する使用禁止期間がなく、薬剤散布法に比べて人が薬剤に接する機会が少なくなるため安全で、ワクモによる鶏の生産成績の低下や経済的損失を防ぐことが期待できる。

セミナーでは、㈱ピーピーキューシーの白田一敏社長が「採卵農場におけるワクモのモニタリング結果について」と題して講演し、MSDアニマルヘルス㈱APSAリージョナルTSマネージャーのスンファン・ジョン氏が『エグゾルト』の製品説明を行なった。

白田社長は「新しいコンセプトのワクモ駆除剤『エグゾルト』には、農場現場における様々な課題を解決できる可能性があるということで私自身も興味があり、ワクモのモニタリング調査に参加した。『エグゾルト』を現場で使った感想を伝えることができればよかったが、新型コロナウイルスの影響もあって現時点ではできていないため、使用前のモニタリング状況を紹介する」とし、A農場(1万3000羽飼養、4段式ウインドレス)、B農場(3万5000羽飼養、開放直立7段ケージ)、C農場(9万羽飼養、ウインドレス8段ケージ)で実施したワクモのモニタリング調査の結果を説明した。

2019年10月~2020年1月に実施した1回目の調査では、①A農場では一般的な駆除剤を使用しておらず、珪藻土や界面活性剤などを使用していたが、モニタリング結果では、ワクモが減少していなかった②B農場では、薬剤感受性を確認して、駆除剤と濃度を選択している。ワクモの生活環を考慮して駆除間隔を1週間以内にし、ていねいに駆除剤を散布することで、ワクモの極端な増殖を抑制することができた③C農場では、入気部分に近いトラップでワクモの生息数が少ない一方、風下側にあるトラップでは、ワクモの生息スコアが高いまま推移していた――との結果であった。

ワクモの活動が活発化する2020年5月~12月に、B農場とC農場で実施した2回目の調査では、①B農場では、導入前の鶏舎について洗浄・消毒を徹底した結果、導入後から210日齢過ぎ(6月末)まで、ワクモの目立った増殖は確認されなかった。ワクモの増殖は関東地方の場合、3月くらいから目立ち始めるため、導入前の洗浄・消毒はワクモ被害を少なくするための有効な手段のひとつであると再確認できた。鶏舎内でワクモが増殖して以降、薬剤(カーバメイト系薬剤、有機リン系薬剤)を毎週散布して、ワクモの極端な増殖を抑制することができた②C農場では、導入前に、鶏舎の洗浄・消毒後にIGR製剤を散布した。大びな導入後は調査終了時まで特に定期的な駆除剤を散布しなかったが、ワクモのモニタリングの結果から、調査開始5週後(214日齢)~7週後(228日齢)ごろから、ワクモの増殖が部分的に確認され始めた。導入前にIGR製剤を散布したため、導入後3~4か月間、IGR製剤の効果が持続したものと推察された――との結果であった。

白田社長は「ワクモ対策は農場の仕組みを考えることが大事で、鶏舎内にワクモが生息しやすい構造があるかどうかを見極める。ひなや卵、資材の流通なども考える必要があり、鶏舎内に持ち込んだトレーにワクモが付着し、他の鶏舎に移るという話もよく聞く。鶏舎内の履物や鶏舎を見回る順番も大事で、鶏舎内の清掃方法の検討も重要である。また、ワクモの生活環を考慮して薬剤の効能、使用方法、タイミングを検討する。従来の薬剤でも効果を出すことができる。『エグゾルト』の効果に期待しているが、どのような薬剤でも散布・投薬すればおしまいではない。魔法の薬はないため、総合的な対策が必要である」などと述べた。

スンファン・ジョン氏はワクモに関する基礎知識やワクモによる被害、『エグゾルト』の成分や効果などの特徴について説明した。

ワクモを駆除することで鶏のワクモに対するストレスを軽減し、アニマルウェルフェアを改善することが認められ、EUでは『エグゾルト』の製品概要にアニマルウェルフェア改善の記載が認められた初めての製剤であることなどを紹介し、「『エグゾルト』の有効成分であるフルララネルは新規化合物で、ワクモやその他の外部寄生虫に対して高い有効性を示す。鶏の体重1キロ当たり0.05ミリリットルを、7日間隔で2回飲水投与する。『エグゾルト』は新たなワクモ対策として、すでに多くの国で使用されており、日本では今年から1リットル容器での販売を開始する。

『エグゾルト』の投与から4時間以内に吸血したワクモの99%を駆除することができる。さらに卵や幼ダニが吸血ステージまで成長すると効果を示し、メスによる産卵も減少させる。2回の投与によりワクモの2回分のライフサイクルを絶つ投薬方法は、ワクモの増殖を抑えるうえで重要なコンセプトとなっている。

飲水投与のため投与が簡単で、鶏にストレスを与えることなく投与できる。鶏や人への安全性も確認されており、『エグゾルト』の投与による産卵率、孵化率、発育への影響はない。卵に対する使用禁止期間の設定はない。このことは採卵鶏業者にとってメリットとなると思う。

アニマルウェルフェアの改善は、『エグゾルト』を投薬した鶏群に価値をもたらすかもしれない。『エグゾルト』によるベストなワクモコントロールは、総合的なバイオセキュリティ(ワクモの再侵入防止)対策により成し遂げられることを忘れないでほしい」などと述べた。

同社ポートリー&アクアカルチャー事業部の高田健次事業部長は「このたび上市した『エグゾルト』は飲水投与のため、従来の方法より投与が簡単で、効果も早く、効率的にワクモを駆除できる。海外では、アニマルウェルフェアの観点からも鶏にやさしいという評価を受けている。有効成分であるフルララネルは、人や鶏に対して安全性が高く、安心して使用できる製品である。このような製品でも、白田先生がお話しされたように魔法の薬はない。簡便な飲水投与であっても、薬剤が鶏にうまく行き渡ったかどうか、適切に使用できたかどうかのチェックは必要である。

『エグゾルト』は、ワクモが吸血して体内に有効成分が届き、効果を示すものである。このため1回目の投与で多くのワクモの死体が確認されても、必ず2回投与する。鶏舎の構造によっては温度が局所的に低く、ワクモの活動性が鈍っているスポットでは、『エグゾルト』を投与しても吸血しないワクモには効果がない。また、鶏舎内や鶏舎周辺を整理整頓し、ワクモの住処を多く作らないようにすることも重要である。農場内のワクモが減っても、外からワクモを持ち込んでしまうと問題になる。バイオセキュリティのチェックシートを作成しているため、興味がある人は当社のエリア担当者に問い合わせてほしい。

『エグゾルト』は日本初の飲水投与によるワクモ駆除剤で、使用に当たり注意しなければならない点もあるが、我々の生活に欠かせない鶏卵の生産に、少しでも役立つことができれば幸いである」とあいさつしてセミナーを終えた。