配合飼料の価格差 成鶏用2.35倍、ブロイラー用1.64倍

農水省の農業資材価格調査

農林水産省は9月8日、令和元年度「国内外の農業資材の供給状況に関する調査」の結果を公表した。

同調査は、農業者が良質で低廉な農業資材の調達する際や、農業資材メーカーが合理化に向けて検討する際に参考となるよう実施しているもので平成29年度、30年度に続き今回が3回目。

国内の資材価格のうち肥料、農薬、被覆資材・ダンボール、農業用ハウスは資材販売店に調査票を郵送し、主な銘柄の販売価格を調査。

配合飼料価格については、今年3月に畜産経営者311戸に購入価格のアンケート調査を実施し、300戸から回答を得た(前年度は312戸にアンケート実施、回答300戸)。
畜種別の購入価格は表【配合飼料の購入価格】の通りで、飼料の内容に差はあるが、価格に大きな幅がある。

成鶏(採卵鶏)用の最高値は6万8893円(前年度比983円安)、最安値は2万9315円(同8005円安)、平均価格は4万9207円(同1516円安)。最高値と最安値の価格差は2.35倍(前年度1.87倍)。

ブロイラー用の最高値は6万6670円(前年度比106円安)、最安値は4万700円(同740円高)、平均価格は5万4622円(同650円高)。最高値と最安値の価格差は1.64倍(前年度1.67倍)。

乳牛用の最高値は7万1880円(前年度比430円高)、最安値は4万1500円(同800円安)、平均価格は5万9780円(同651円安)。最高値と最安値の価格差は1.73倍(前年度1.69倍)。

肉牛肥育用の最高値は6万8180円(前年度比32円高)、最安値は4万425円(同465円高)、平均価格は5万3350円(同99円安)。最高値と最安値の価格差は1.69倍(前年度1.71倍)。

肉牛繁殖用の最高値は8万850円(前年度比1316円安)、最安値は4万2955円(同1699円高)、平均価格は6万2842円(同152円高)。最高値と最安値の価格差は1.64倍(前年度1.67倍)。

肉豚肥育用の最高値は6万9762円(前年度比770円高)、最安値は3万2600円(同2500円安)、平均価格は4万7830円(同2026円安)。最高値と最安値の価格差は2.14倍(前年度1.97倍)。

米国の配合飼料産業との比較・分析では、①米国はトウモロコシなどの飼料原料を国内で自給できる②養豚産業を中心に飼料の生産から肉の生産、加工、販売までのすべてをインテグレーション企業が行なっている場合が多い③豚肉の場合、米国は加工食品向けの割合が多く、均一な肉質が求められているが、テーブルミート向けの生産が多い日本は肉質の差別化が求められ、飼料の設計に違いがある④米国の畜産物の市場規模と生産規模が日本に比べて非常に大きい――ことから、飼料メーカーの製造コストは日本に比べて安い傾向にある。