葛尾村の養鶏再興へ!「地域への恩返し」

大笹農場が若どり肥育をスタート

鶏舎は養鶏のノウハウを持つ大笹農場が管理・運営する

地元産の飼料用米などを与え、順次増羽していく

福島県葛尾村が村民帰還や雇用創出などを目的に、総工費約8億円をかけて同村落合に整備していた肉用鶏農場が完成し、4月18日に若どりのヒナ約1万8000羽が初導入された。

新農場を借りて運営するのは、元・伊達物産㈱の生産技術指導者で、2017年に『㈱大笹農場』を設立した髙橋良行社長。伊達物産の契約農場として若どりのみを肥育し、生鳥を同社に販売する。鶏舎は1棟当たり約894平方メートル。全6棟で最大約10万羽を飼養できるという。

村には東日本大震災前までは養鶏場が4戸あったが、大震災と、東京電力福島第1原発事故の影響ですべて廃業に。その後は2018年に伊達物産が直営農場を開設した。村内での養鶏開始2例目となる髙橋社長は「葛尾の養鶏を再興したい」との思いで、運転資金として農林中央金庫などから約3000万円の支援を受け、長男で農場長の髙橋憲司氏らとともに新事業に取り組んでいる。

髙橋社長は「地域に恩返しできる養鶏」を意識し、飼料原料には同村や双葉郡内の飼料用米を使用。鶏糞は温水ボイラーに利用し、周辺農家が使いやすいよう『鶏糞灰』として提供していく。