悪臭関連が全体の52・2%令和元年の畜産経営苦情

苦情発生率は横ばい傾向

農林水産省生産局畜産部畜産振興課は令和元年の畜産経営に起因する苦情発生状況を公表した。同年7月1日までの1年間に自治体などに届けられたもの。それによると苦情発生戸数は1491戸で、前年に比べ11戸増加した。畜産統計などの飼養戸数を基にした苦情発生率は前年と同じ2.0%で、近年はおおむね横ばいで推移している。

畜種別の苦情発生率は乳用牛2.6%(前年2.6%)、肉用牛0.8%(同0.6%)、豚9.0%(同9.0%)、採卵鶏10.3%(同10.0%)、ブロイラー3.6%(同3.5%)と横ばい傾向。ブロイラーを除く各畜種では、飼養規模が大きくなるほど苦情発生率が高くなる傾向にあった。

畜種別の苦情発生戸数は、乳用牛が18戸減の389戸で全体の苦情発生割合は26.1%(前年27.5%)、肉用牛が46戸増の351戸で同23.5%(同20.6%)、豚が15戸減の388戸で同26.0%(同27.2%)、採卵鶏が3戸減の218戸で同14.6%(同14.9%)、ブロイラーが2戸増の81戸で同5.4%(同5.3%)。

苦情の内容の割合は、悪臭関連が52.2%(前年53.4%)、水質汚濁関連が20.6%(同22.2%)、害虫関連が13.2%(同12.2%)となっており、ほぼ横ばい傾向にあった。

採卵鶏218戸の中での苦情割合は、悪臭関連が120戸で55%(前年66%)、水質汚濁関連が40戸で18%(同17%)、害虫関連が97戸で44%(同42%)、その他が14戸で6%(同6%)。

ブロイラー81戸の中での苦情割合は、悪臭関連が60戸で74%(同78%)、水質汚濁関連が14戸で17%(同16%)、害虫関連が3戸で4%(同3%)、その他が9戸で11%(同10%)。

畜産経営に起因する苦情の畜種別・内容別発生戸数(令和元年)