日本チャンキー協会が技術ゼミ

高い種鶏成績、ブロイラーの商品化率も増加

全国の飼養管理担当者ら約240人が出席した

日本チャンキー協会(会長=吉原洋明日本ホワイトファーム㈱社長)は9月11、12の両日、仙台市のホテルメルパルク仙台で第109回技術ゼミナールを開き、会員企業や団体の飼養管理担当者ら約240人が出席した。

1日目は、㈱ウェルファムフーズの石黒正和氏の司会で進め、あいさつした吉原会長は、ゼミ開催の2日前に関東地方に上陸した台風15号の影響に触れ「参加者数についても当初はもっと多かったと聞いており、被害を心配している。8月にも8号、10号と上陸し、各地で様々な被害が出た。本当に、被災された皆様には、お見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈りしている。リスクが高い時期はまだ続くため、農場や工場でも備えられることはしっかり備え、被害が最小限に抑えられることを願っている。

10月からは疾病のリスクも高くなるため、通常お迎えしていたお客様を制限するなど、我々は防疫強化期間に入っていく。鳥インフルエンザ(AI)は昨年1月以来、発生していないが、養豚では豚コレラの終息がなかなか見えない状況になっている。鶏では今年度もAIの発生がないよう、備えられることは備え、乗り切っていきたい。

今夏の気温は、九州、四国以外は平年より高く、特に7月後半以降は、40度Cを超える地域も出るなど猛暑となった。しかし、以前のような大きな熱死の被害は聞かれず、各社の暑熱対策に加えて、『チャンキーが夏に強くなった』という声も聞こえるようになっている。

一方、『涼しくなった時になかなか日増体が戻ってこない』『目標体重に届かない』といった話を聞くと、良い成績の農場ではどうされているのかが気になる。チャンキーの育種改良のスピードが年々上がっているため、年1回の優良会員表彰の際の情報共有では遅いとも感じられるようになっており、可能であれば毎月の育成データを会員の皆さんで共有し、鶏の能力をますます発揮できるようにしたい旨を、今年の6月の通常総会で、皆様にお願いした。

日本チャンキーさんの協力をいただいて6月から開始し、8月については13社18拠点の情報を共有している。多くのデータが共有され、成績がますます改善されるよう、各社でぜひご検討いただき、参加していただければと思っている」と述べた。

㈱日本チャンキー営業部技術課の和久健太氏が、種鶏とブロイラーの「実績調査結果」、プライフーズ㈱生産製造本部生産部種鶏孵卵室の小笠原敬介氏、㈱JAフーズさが食鳥事業部食鳥事業課の石﨑傑氏と高森啓太農場の高森啓太氏が「優良会員の取り組み」について講演。

2日目は、㈱福島エンヤの車田信彦社長の司会で、エビアジェン社のドミニック・エリフィック氏が「育種改良について」、農研機構動物衛生研究部門越境性感染症研究領域インフルエンザユニットの内田裕子氏が「鳥インフルエンザ関連情報」の演題で講演。

山上祐一郎種鶏孵卵部会長(㈱福田種鶏場社長)のあいさつで閉会した。

(講演要旨などの詳細は本紙をお読みください)