成鶏更新・空舎延長事業が3月31日で終了 日本養鶏協会

3月補てんは財源枯渇でゼロに

(一社)日本養鶏協会は4月1日、3月の鶏卵価格差補てん事業の標準取引価格を1キロ当たり162.61円と発表。補てん基準価格の185円を下回ったが、2018年度の財源がなくなり、補てんを打ち切った。

同協会は、今年1月からの鶏卵価格の低迷で補てん財源が枯渇する恐れが出たため、2月からの成鶏更新・空舎延長事業に資金を優先的に充てるとの理事会決定を受けて1月の補てん金支払いを減額した。しかし、空舎延長事業への参加が想定の約300万羽に達しないことが分かり、1月に減額した補てん分を3月中に追加支給したため、3月分の財源がなくなり、補てんを打ち切ったもの。財源枯渇による補てん打ち切りは2012(平成24)年度以来となる。

また、2月1日から発動していた2018(平成30)年度2回目の成鶏更新・空舎延長事業は、4月1日の標準取引価格が164円となり、安定基準価格の163円を上回ったため、年度末に当たる3月31日で発動を停止した。ただし、3月31日までに食鳥処理場に出荷計画申込書を提出していた成鶏については、30日後の4月30日までに処理されると事業の対象になる。

2019(平成31、令和元)年度の鶏卵生産者経営安定対策事業は前年度と同様の仕組みで、補てん基準価格185円、安定基準価格163円で実施される。

3月の鶏卵相場(M加重)は、7~8日にかけて各地で5円上げたが、その後は横ばいで推移した結果、月間平均は東京は前月比17円高の169円(前年同月比32円安)、大阪は同11円高の159円(同40円安)、名古屋は同17円高の174円(同32円安)、福岡は同11円高の159円(同35円安)となった。

昨年のひなえ付けが前年を3.4%上回っていることなどから、当面の需給バランスは保たれても「陽気が春らしさを増し、温かくなるゴールデンウイーク前後には需給が緩んでくる」のではと予想され、相場の推移によっては、標準取引価格(JA全農たまごの東京と大阪の全サイズ加重平均)が成鶏更新・空舎延長事業の安定基準価格を割り込み、同事業の発動の可能性も出てくるとみられる。

4月30日(火)の相場発表へ

鶏卵荷受各社は、今年のゴールデンウイーク期間中の4月30日(火曜日)に相場を発表する(新聞掲載は5月1日朝刊)。