エランコ社への動物用薬品事業売却が完了 バイエル社

ドイツ・バイエル社は8月3日、米国に本社を置くエランコ・アニマルヘルス社への動物用薬品事業の売却が完了したと発表した。

両社は昨年8月に売却に関する合意書に署名していた。取引完了時にバイエル社は、通常の買収価格調整額を差し引いた現金51億7000万ドル(税引き前)と、エランコ社の普通株7290万株(同社発行済み株式の15.5%に相当)を受領した。バイエル社は今後、適切な時期に株式の売却を考えているが、2021年中頃まで株式を一定期間保持することが条件となっている。

動物用薬品事業の売却は、バイエル社が2018年11月より開始した一連のポートフォリオ対策で最大の取引。売却されたバイエル社の動物用薬品事業部の従業員は約4400人、2019年の売上高は15億7000万ユーロ。ペットや食用動物の病気予防・治療用の革新的な製品とソリューションを開発・販売している。

バイエル社のヴェルナー・バウマン社長は「動物用薬品事業部社員の皆様の長年にわたる熱心な取り組みと、それによってバイエル社に成功がもたらされたことに感謝したいと思う。エランコ社は、わが社の動物用薬品事業の強力な新オーナーとなる。今回の取引によって、世界トップクラスの動物用薬品企業の一つが誕生する。わが社は従業員の利益を守ることにも成功した」などと述べた。

エランコ社との合意のもと、バイエル社の動物用薬品事業部の従業員全員が1年以上の雇用継続を保障され、これまでと同等以上の便益が図られるとのこと。