のだ初が『ネオ6次産業化』で新たな価値創造

地域の仲間と原料・販路の安定確保、資源循環を推進

 

のだ初の野田裕一朗社長㊨とタツリュウ牧場の五藤慎也マネージャー

タツリュウ牧場で長期飼育している豚

鶏卵や畜産加工品などを生産・販売する㈱のだ初(野田裕一朗社長―本社・岡山県倉敷市玉島)は、同じ倉敷市内に本社を持ち、養豚場も経営する清掃・リサイクル企業の㈲立龍美掃(木村登志男社長―本社・倉敷市祐安)とのコラボを開始。協力して原料や販路の安定的な確保、商品の付加価値向上に取り組むとともに、地域のさらなる活性化や、資源リサイクルの強化を通じた循環型社会の推進を図る。

のだ初と立龍美掃との〝ネオ6次産業化〟モデル

畜産業界は現在、養豚・養鶏ともに新型コロナウイルス禍による社会環境の激変、飼料高騰、家畜疾病の脅威などが重なる未曾有の時代に直面し、直近では特に飼料原料の高騰が世界的に危機として捉えられる状況になってきている。

このような環境下で、立龍美掃では食品残さを原料としたエコフィードの利用強化や豚肉の安定的な販売、のだ初では加工原料の安定確保や畜肉加工センターでの新たな商品開発、さらなる稼働率アップ、食品残さの有効活用、さらに両社共通の懸案として畜糞の有効活用も課題となっていた。

のだ初では、これまで自社で加工品の製造や直売などの6次産業化を進めてきたが、一社では解決できないこれらの課題に対応するため、地域の1次・2次・3次産業の担い手がコラボして横展開する取り組みを立龍美掃と計画し、これを『ネオ6次産業化』と命名。

今回の提携により、立龍美掃は豚肉の安定的な販路を得たことで、エコフィードの生産拡大を通じた食品残さのリサイクルを一層強化する。のだ初は立龍美掃の養豚場「タツリュウ牧場」が約300日かけて育てた長期飼育豚から生産する、脂肪に特長があり甘みの強い高品質豚肉の安定供給を受けるとともに、この豚肉を加工することで付加価値をさらに高めた新商品の開発・販売に取り組む。

のだ初の畜肉加工センターから出た食品残さや副産物は立龍美掃に還元し、エコフィードとしてリサイクル。畜糞処理でも協力し、堆肥として地域の耕種農家に還元して、生産された野菜や穀物を買い取り、さらに付加価値の高い商品の開発に生かすことも視野に入れている。

のだ初の野田裕一朗社長は「自社だけで完結させる従来の6次産業化は生産者にとっては意外とハードルが高い。しかし弊社のように既に6次産業化に取り組んでいる生産者が、そのノウハウや設備を活かしてシェイクハンドしていけば、新しい可能性が広がる。畜種や業種の垣根を飛び越えた横展開ができれば、可能性はさらに広がり、その結果、日本の一次産業が元気になれば、日本が元気になる!!」と話している。