生協宅配、小売店の総菜販売好調 3月の小売り・外食等販売状況
スーパーは反動減も中食ニーズは上昇
(一社)全国スーパーマーケット協会など食品スーパー3団体(合計270社・8233店)発表の既存店ベースの3月総売上高は前年同月比4.1%減の9520億777万円。
マイナスは2か月連続。業績は悪くないが、前年同月の買いだめや巣ごもり消費の急増に伴う反動減が大きい。畜産品は5.3%減の1126億5915万円。卵を含む日配品は4.6%減の1879億206万円。
一方、前年はバラ売りの中止などで苦戦した総菜は3.4%増の996億3910万円。3団体は「揚げ物や焼き鳥、おつまみなど、家飲みにも合う商材が好調。すっきりしない日々を豊かにするような提案が求められる」としている。
生協の宅配はプラス
日本生活協同組合連合会によると、全国65の主要地域生協の3月総供給高(売上高)は前年同月比2.2%増の2361億8300万円で、14か月連続で前年を上回った。このうち宅配は5.8%増の1572億9800万円、店舗販売は前年の反動減で5.9%減の729億9700万円。
大手チェーンストアは焼き鳥や揚げ物好調
日本チェーンストア協会による3月の大手チェーンストア販売概況(会員56社・1万1789店)では、衣料品や日用品にまずまずの動きがみられ、総販売額は前年同月比1.3%増(既存店ベース)の1兆906億3639万円となった。
一方、食料品は0.8%減の7397億1031万円で、うち畜産品は4.2%減の861億5064万円。鶏肉や鶏卵も前年同月ほどの動きはみられなかった。総菜は揚げ物や焼き鳥が好調で、9.6%増の968億8562万円となった。
コンビニはプラスに
コンビニ7社(5万5828店)で組織する(一社)日本フランチャイズチェーン協会は、3月の売上高(既存店ベース)が前年同月比1.9%増の8617億2000万円と公表した。生鮮食品や総菜、デザート、酒類などが好調に推移し、13か月ぶりのプラスとなった。平均客単価は5.6%増の684円。ただ来客数は3.5%減で、引き続き外出自粛の影響は続いている。
外食は依然厳しい
(一社)日本フードサービス協会の3月外食市場調査(新規店含む全店ベース、3万7389店)では、外食全体の売上高は前年同月比2.9%減、店舗数4.4%減、客数5.7%減、客単価3.0%増となった。
業態別ではファストフードの売上高が3.9%増で、このうち洋風が9.1%増、和風が2.6%減。居酒屋は42.1%減、ファミリーレストランは9.7%減。
百貨店は18か月ぶりのプラスに
(一社)日本百貨店協会は3月の売上高(73社・192店)について既存店ベースで前年同月比21.8%増の4076億7969万円と発表した。業績がプラスに転じるのは18か月ぶり。前年の臨時休業や時短営業に伴う反動増も大きいが、富裕層向け商品や『イエナカニーズ』を満たす商品が消費をけん引し、催事での食品販売も好調。インバウンドによる消費は17.1%増で14か月ぶりのプラスとなった。