「熟成阿波尾鶏」などの鶏肉関連商品を紹介 スターゼングループ総合展示会

うま味成分が多く含まれる「熟成阿波尾鶏」

味の素とコラボレーションした「鍋セット」

食品ロス削減や大手食品メーカーとのコラボも

スターゼン㈱(中津濵健会長兼社長―本社・東京都港区)は1月28、29の両日、東京都大田区の東京流通センター第2展示場で「第13回スターゼングループ総合展示会」を開き、取引先関係者らが多数来場した。

今回の展示会のテーマは『おいしくつなぐ 笑顔のバトン』。産地・原料(国内、海外)、工場・機能、加工食品、外食、ローマイヤの各エリアで、新商品やリニューアル品など377アイテムを展示した。

産地・原料(国内、海外)エリアでは、一押しのブランド食肉や、関税低減対応の使いやすい規格などの高付加価値商品を紹介。国内の鶏肉コーナーでは、貞光食糧工業㈱(徳島県)が生産・加工する「熟成阿波尾鶏」の各アイテム(骨付きもも、もも肉、むね肉、ささみ、手羽元、手羽先など)を展示。年間出荷羽数が200万羽以上(2018年度)で地鶏日本一の阿波尾鶏の中でも「熟成阿波尾鶏」は、と鳥後に丸鶏のまま0~2度Cで4時間以上、熟成させた後に解体処理することで、みずみずしさを保ったまま、やわらかさがアップし、うま味成分のグルタミン酸やアスパラギン酸が他の地鶏と比べて多く含まれており、熟成方法は「ブロイラーと体の処理方法」として特許を取得している。

海外の鶏肉コーナーでは、タイ産のオイスターミートとアウトパック(もも正肉、もも角切り)、ブラジル産のせせりと骨付きヤゲン(1キロ、240グラム)、タイ産の合鴨(もも、むね、むねスライス、スモークチップ)を展示。オイスターミートは、フランス語では「ソリレス」(愚か者はそれを残すという意味)、焼き鳥屋では「ソリ」と言われている。足の付け根にある筋肉が発達している部位で、1羽から約40㌘しか取れない希少部位。カットがほとんど必要ないため、串焼きなどにおすすめとのこと。タイ産アウトパックとブラジル産せせり、骨付きヤゲンは人手不足に対応した商品で、パックのまま店頭に陳列できる。せせりと骨付きヤゲンの240グラム入りは内容量が少なく、廃棄ロス削減にもつながるとしていた。

工場・機能エリアでは、プロセスセンター(消費期限延長商品、鍋セット、オードブルセットなど)や阿久根加工センター(ホルモン)、松尾工場・本宮工場(ハンバーグ)などの機能や取り組みを紹介。味の素㈱の鍋の素「鍋キューブ」とコラボレーションした鍋セットは、郡山パックセンターで豚肉や鶏だんご、「鍋キューブ」を一緒にパックして出荷。鍋セットを買った消費者は、野菜を用意するだけで誰でも簡単に鍋料理を楽しめる。国産の鶏むね肉を使った「タンドリーチキン」「チーズタッカルビ」などの深絞り味付けシリーズは、店頭で温度帯を変更して冷蔵で取り扱う商品で、解凍後4度C以下で販売できる。

加工食品エリアでは、ハム・ソーセージや冷凍ケース販売商品、おつまみなどの多彩な商品ラインアップを展示。冷凍ケース販売商品として「焼き鶏もも肉串」(生肉・スチーム)と「国産若鶏業務用フランク」。家飲み需要に対応した商品として「親鶏炭火焼」「国産鶏肩焼き(たれ)」「国産若鶏皮の大人の辛揚げ」などのおつまみ商材。ぜいたくでオシャレ盛りな〝フォトジェ肉(ニック)〟メニューとしてはCPF(チャロンポカパンフーズ)のタイ産鶏肉加工品を使った「パネチキン」「チャンピオン鶏肉バーガー」などを紹介した。

外食エリアで展示した代替肉の『業務用ゼロミート』(ハンバーグ、ソーセージタイプ)は大豆を使った商品。外食産業で大豆を使用したメニューが増えていることや、東京オリンピック・パラリンピックの開催で海外からの訪日客のニーズに対応するため、2018年11月に市販用『ゼロミート』を販売していた大塚食品㈱と今回、外食・中食向け製品を共同開発した。

チームスターゼン一丸で努力 中津濵健会長兼社長

中津濵健会長兼社長

1月28日に展示会場であいさつした中津濵会長兼社長は「スターゼングループは『食を通して人を幸せにする』『グローバルな生活関連企業を目指す』を経営ビジョンに掲げ、『スターゼンと取引をしてよかったといわれる会社にしよう』『仕事を通じて自ら成長しよう』『チームスターゼンで考え行動しよう』を経営理念としている。今回の展示会では、グローバル化と変化が激しい時代環境にマッチした安全でおいしい商品を、お客様にお届けしたいとの思いで各エリアに商品を展示している。最近ではローマイヤのハム・ソーセージが一段とおいしくなったと言われている。このたび大塚食品と共同開発した『業務用ゼロミート』のハンバーグとソーセージも展示している。

現在の食肉産業を取り巻く国内外の課題や問題は枚挙にいとまがない。今後、同業異業種間の競争がさらに激化すると想定している。スターゼングループでは、仕事のやり方改革の推進やグローバル化・人手不足・ライフスタイルの変化への対応、食肉生産基盤の強化などを積極的に進め、今年4月からは本当の意味での〝ワンチーム〟にすべく、分社化していたすべての製造・販売業務をスターゼンに吸収合併し、情報共有と意思決定のスピード化を進める。チームスターゼンが一丸となって努力していきたい」などと述べた。