OIE総会の概要報告 農林水産省・OIE連絡協議会

採卵鶏AW基準案は賛成53、反対41、棄権22で不採択

農林水産省は6月24日に令和3年度第1回OIE連絡協議会を開き、5月に開かれたOIE(国際獣疫事務局)の第88回総会の概要を報告した。

総会で採択されなかったコード案「アニマルウェルフェアと採卵鶏の生産システム」(採卵鶏AW基準案)については「多様な飼養形態を認める内容の案が提示されたが、止まり木の設置などについて〝必須とすべき〟と〝『望ましい』でも厳しすぎる〟の双方の立場から反対する意見が出され、全会一致に至らなかったため、最終日に正式な投票を実施。投票数の3分の2以上の賛成が得られず、採択されなかった」などと報告。

また、6月23日にOIEが公表した最終報告書によると、最終日の投票で同コード案の採択に賛成が53か国・地域、反対が41か国・地域、棄権が22か国・地域であった。

同コード案の今後の取り扱いについて、OIEから特段の説明はなかったとのことで、農水省の担当者は「3分の2の賛成を得られなかったケースは、おそらく初めてではないか。過去には反対が多くて成立しそうにない案を議長が取り下げたケースがあったが、その場合はもう一度コード委員会で検討し直し、新しい案を作って再度、総会での採択を目指すのがこれまでの例である。今回も同様の動きが想定されるが、現時点ではOIEから説明や方向性が示されていないため、引き続き推移を注視していきたい」と述べた。

総会で採択されたコード案「鳥インフルエンザ」の見直しポイントは①高病原性の章として見直し、低病原性はリスト疾病(通報の対象となる疾病)から外す。ただし低病原性でも人の健康に重篤な影響を及ぼすものは引き続きリスト疾病に残す②自家消費用の裏庭養鶏は家きんの定義から外す――など。日本はこの案について妥当であるとしたうえで「低病原性のモニタリングは引き続き実施し、高病原性に変異したり、人獣共通感染症としての性質を獲得した時に迅速に対処できるよう、適時の通報と加盟国間の情報提供を促す活動をOIEに求める」と、アジア32か国を代表して意見を述べたと報告した。

今後のコード委員会の活動計画では、アニマルウェルフェアに関する研究の進展を踏まえ「動物の輸送に関するアニマルウェルフェア章」について今後、見直しに着手する予定であるとのこと。

このほか同協議会は「養鶏・鶏卵行政に関する検証委員会」の報告書を踏まえてメンバー構成・選任、議事運営、議事概要の公表について改善し、次回(12月予定)から新しい方式で開催する予定。

採卵鶏AW基準案の最終投票結果は次の通り。

【賛成】53か国・地域=アルバニア、アルジェリア、アンドラ、アルゼンチン、アルメニア、オーストラリア、バルバドス、ブータン、ボリビア、ブラジル、カナダ、中国、コートジボワール、キュラソー、エジプト、エリトリア、エチオピア、ジョージア、インドネシア、イラク、日本、キルギス、ラオス、レソト、リベリア、リヒテンシュタイン、マダガスカル、マリ、モルドバ、モンゴル、ナミビア、ニューカレドニア、ニュージーランド、北マケドニア、オマーン、セントルシア、サンマリノ、セネガル、セルビア、セイシェル、シンガポール、スリランカ、スイス、タジキスタン、タンザニア、チュニジア、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国、ウルグアイ、ウズベキスタン、ベトナム

【反対】41か国・地域=ベルギー、ベリーズ、ベナン、コロンビア、コスタリカ、クロアチア、キューバ、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、グアテマラ、ホンジュラス、ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、カザフスタン、韓国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、ミャンマー、ノルウェー、パナマ、ペルー、フィリピン、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、オランダ

【棄権】22か国・地域=アフガニスタン、バーレーン、ブルキナファソ、カンボジア、カメルーン、チリ、エスワティニ、ハイチ、アイスランド、イラン、イスラエル、モーリシャス、メキシコ、モンテネグロ、モロッコ、ネパール、ニカラグア、ポーランド、サウジアラビア、タイ、トリニダード・トバゴ、ザンビア