防疫対策の再徹底呼びかけ 農水省
韓国の野鳥でHPAI発生
農林水産省は11月2日、韓国の忠清南道天安市で捕獲された野鳥(オシドリ)がH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に感染したことが明らかになったことから、改めて防疫対策の再徹底を呼び掛ける通知を発信した。
韓国では今年9月以降、野鳥の糞便からH5亜型の低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)ウイルスの検出が複数例確認されている。また、日本では北海道旭川市のマガモの死骸から10月26日にH5亜型のLPAIウイルスが確認された。
家きん農場では、9月にベトナムでH5N8亜型、台湾でH5N5亜型、ロシアでH5N1亜型のHPAIの発生が報告されているほか、10月に入ってドイツのガチョウ農場、イタリアの七面鳥農場、オランダの家きん農場、デンマークの家きん農場などでH5N1亜型のHPAIの発生が報告されている。
農林水産省では、日本に飛来する渡り鳥がAIウイルスを保有する可能性が高く、今シーズンも厳重な警戒が必要だとして、9月10日に各都道府県に対し「令和3年度のおける高病原性鳥インフルエンザ等の防疫対策の徹底について」を通知したが、11月2日に改めて「韓国の捕獲野鳥におけるH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザの感染の確認および防疫対策の再徹底について」を通知し、畜産関係者への情報提供と、①家きん飼養者への飼養衛生管理基準順守の徹底の指導②早期発見・早期通報の徹底の指導③迅速かつ円滑な初動対応体制の確認――の実施を要請した。
環境省でも、韓国の野鳥でのHPAI発生を受け、11月2日から野鳥監視のレベルを3段階の1から2に引き上げ、死亡野鳥の検査体制を強化した。