第5回たまごのある暮らしレシピ開発講評会 昭和産業グループと東京家政大学

最終審査では学生がブラッシュアップしたレシピのコンセプトなどを説明した

昭和産業グループと東京家政大学は3月11日、東京都板橋区の同大学板橋キャンパスで「第5回たまごのある暮らしレシピ開発講評会」を開いた。この取り組みは2014年にスタートし、今回が5回目。これまでは昭和鶏卵㈱が販売する「こめたまご」を使ったレシピを学生から公募してコンテストを開き、上位8レシピをブランド卵「たまごのある暮らし」のパッケージに掲載して販売してきた。

今回は学生にとって〝より良い学び〟の機会となるよう、①従来の個人参加から、2~4人のチームとして参加。各チームで鶏卵を使ったレシピを2つ考案し、うち1つは昭和産業㈱の家庭用商品を使用する②春夏秋冬×おかず・お弁当・スイーツの合計12レシピにバリエーションを増やし、すべてのレシピを「たまごのある暮らし」のパッケージに採用する③4か月間の教育プログラムとして昭和産業グループ主催の勉強会や見学会を実施し、レシピのブラッシュアップを図る――方式に変更した。

「たまごのある暮らし」のレシピ開発の参加した学生と審査員の皆さん

開会式であいさつした昭和鶏卵の不破恒昭社長は「この取り組みは、我々が販売しているブランド卵『たまごのある暮らし』の拡販につなげていきたい。現在は東京都下を中心に販売しており、今後も様々なところで取り扱いをお願いしている。もし見かけたら、お買い求めいただきたい」などと述べた。

審査委員長を務めた東京家政大学家政学部栄養学科の峯木眞知子教授(副学長)は「卵が持つ機能性の中で一番優れているのは、何にでも混ざってコクを出すことではないかと思っている。コクを出し、おいしくて、隠し味になり、主菜にもなる。かと言って他の食材の邪魔をせず、混ざり合っておいしさを引き出す特徴がある。それらをうまく生かしたレシピを開発してほしい」と激励した。

今回は6グループ・18人の学生が参加し、最終審査でブラッシュアップしたレシピを審査員にプレゼンテーションした。審査員を務めた昭和産業の太田隆行取締役専務執行役員と駒井孝哉執行役員製粉部長、阿部健太郎飼料畜産部長、金子敦商品開発研究所長、商品開発研究所家庭用グループの小野明香さん、昭和鶏卵の不破社長、東京家政大学家政学部栄養学科の峯木教授と土屋京子教授、同大学ヒューマンライフ支援センターの内野美恵准教授が味、見た目、アイデアについてそれぞれ5段階で評価した。

最優秀賞の「簡単!夏野菜のおかずケーキ」

最優秀賞に選ばれた岡田果歩さん、星野なな子さん、中﨑菜々子さんの『簡単!夏野菜のおかずケーキ』は〝休日など家族がそろった日に、みんなで一緒に囲んで食べてほしいちょっと特別なご飯〟をコンセプトにレシピを開発。ゆで卵にインパクトがあり、夏野菜で彩りも豊かになって見た目も楽しめる一品に仕上がった。表彰式で3人は「今までブラッシュアップはあまりしたことがなかったので、いろいろと試作して悔いのないように最後までできたことがよかった」「最初はレシピ名も違っていたが、いろいろな工夫をみんなで出し合い、最終的には3人で自信を持ってお勧めできるレシピが完成した」「最初はガトーインビジブルのレシピは難しいからパッケージへの採用は難しいかもしれないと言われていたが、皆さんがアイデアを出し合ってくださり、このような良いものに仕上げることができた」などと喜んだ。このほか昭和産業賞、昭和鶏卵賞、審査員特別賞の受賞者には賞状と記念品が贈られた。

講評で駒井部長は「皆さんは今回、いろいろ迷ったと思うが、コンセプトがはっきりしていたからこそ軸がぶれず、しっかりしたものができた良いお手本だと思う」とし、阿部部長は「おいしいものをきれいに作るということを、私も勉強させていただいた」とした。金子所長は「前回のレシピ検討会まではどちらかというとアイデアが先走っていたが、本日試食したものはどれもメニューとして成り立っていて、完成度が非常に高かった」とし、小野さんは「私たちが作っている家庭用商品を思ってもみない使い方をしていて、勉強になる部分もあった」とした。土屋教授は「今回も本当に僅差で、全員に賞をあげたいくらいだった」などと述べた。

太田取締役専務執行役員が「本日のレシピはすべてがどこに出しても恥ずかしくないものだった。昨年に続いて参加した学生さんもいて、その人のレベルアップを見るのもうれしかった。今後も食品に興味を持って、いい学生生活を送ってほしい」などと閉会あいさつを述べて終了した。

最優秀賞を除くレシピは次の通り。

【昭和産業賞】簡単カラフル!夏のとりたまベーコン巻き(お弁当・夏=上田惠理さん、小林香月さん、石川風花さん)
【昭和鶏卵賞】ぽかぽかジンジャーアップルケーキ(スイーツ・冬=中田陽菜さん、内田真凜さん、亀山智加さん、佐藤万友さん)
【審査員特別賞】ふわふわスフレピザ(おかず・春=椎野莉帆さん、佐藤朱里さん、滝口みゆうさん)
【掲載レシピ】①パクっとひと口3色おにぎり(お弁当・春=椎野さん、佐藤さん、滝口さん)②そら豆のどらやき(スイーツ・春=長谷川紫乃さん、秋山瑞季さん、前原百花さん)③グラノーラとフルーツのシャーベットプリン(スイーツ・夏=渡辺悦子さん、松浦晶子さん)④じゃがいもゴロゴロフラン(おかず・秋=中田さん、内田さん、亀山さん、佐藤さん)⑤お弁当に!魔法のれんこんチヂミ(お弁当・秋=岡田さん、星野さん、中﨑さん)⑥かぼちゃのカップケーキ~フォンダンショコラ風~(スイーツ・秋=上田さん、小林さん、石川さん)⑦豆乳を使ったミルフィーユグラタン(おかず・冬=渡辺さん、松浦さん)⑧大和芋とほうれん草のキッシュ(お弁当・冬=長谷川さん、秋山さん、前原さん)