鶏肉加工品のAI選別技術 ニチレイフーズが共同開発
フードロス80%削減を目指す
㈱ニチレイフーズ(大櫛顕也社長―本社・東京都中央区)は、このほど自社で製造する鶏肉加工品の包装前段階で、混入リスクがある〝硬骨〟を人工知能(AI)で選別する技術を機器メーカーと共同開発した。
ニチレイフーズでは、包装前段階での硬骨の検出にX線検査機を活用しているが、鶏肉加工品が不定形で、重なっていたり、位置や角度によってはX線検査機の判別精度が下がるため、硬骨の混入リスクを避けるために良品の可能性があるものも廃棄していた。
今回開発した鶏肉加工品のAI選別技術は、①機器メーカーが、鶏肉加工品を想定しX線検査機で撮影した画像の濃淡など、様々な情報によって識別、学習するAI選別プログラムを開発する②AI選別プログラムの判別精度を高めるために、冷凍鶏肉加工品で国内最大手のニチレイフーズがこの選別技術を使用し、実際の製造ラインのスピードに合わせて包装前段階の鶏肉加工品をX線検査機で撮影。その影の色の濃淡などの情報を基に、良品と硬骨混入品を判別する画像情報を大量に記憶させる③あえて検出が難しく、誤検知が発生しやすい状況を作り、プログラムの精度をより高めるように検証を繰り返す――ことで確立した。
今回のAI検出技術を導入することで、良品を硬骨混入品と誤認する比率は5分の1に低減し、製品廃棄率は半減する(約50%)と見込んでいる。ニチレイフーズでは「今後もAI選別技術を導入・拡大し、貴重な食糧資源のロス削減に努め、蓄積してきた技術と合わせて3年をめどに製品廃棄削減率80%を目指す」としている。