第3世代のフィターゼ製品(消化酵素)『ロノザイムHiPhos』を新発売 DSMが飼料技術セミナー

持続可能な畜産に挑戦するDSMの飼料技術セミナー

DSM㈱(丸山和則社長―本社・東京都港区)のアニマルニュートリション本部は10月1日、東京都千代田区のフクラシア丸の内オアゾホールAで、新世代フィターゼ『ロノザイムHiPhos』新発売記念の飼料技術セミナーを開いた。

主催者を代表してあいさつした小本勝利取締役アニマルニュートリション本部長は、DSMの会社概要を紹介するとともに、成長戦略について「昨年、目的主導と成果重視という成長戦略を発表した。持続可能性への挑戦は大きな課題であり、その解決のために栄養・健康、資源循環、低炭素・省エネの3つのドメインで貢献していく。本日のセミナーは栄養・健康、資源循環へのアプローチの一環である。飼料産業は我々の中核事業の1つであり、その活動の中で今年はIEC(国際鶏卵委員会)とバリューチェーンパートナーシップを結んだ。我々は持続可能な畜産のために、耐性菌問題、海洋資源への依存度の低減、家畜の排せつ物低減、資源の有効活用、フードロスを減らし安全で高品質な栄養、生涯パフォーマンスの6つのプラットフォームに注力していく」などと説明した。

日本で新発売した『ロノザイムHiPhos』は、DSMとノボザイムズ社の提携によって開発された第3世代のフィターゼ製品(消化酵素)で、世界的には2011年に発売された。従来製品に比べて、植物中のフィチン酸からリンを放出させる能力が向上している(第1世代0.10%、第2世代0.12%、第3世代0.15%)。

同社の新居彦治氏は、優れたハンドリング(ダストフリー、流動性、混合性)や、最高クラスの熱安定性(95度Cまでの加工温度)などの製品特性を説明し、フィターゼから得られる利益として①リンを放出する②フィチン酸の分解により抗栄養効果を低減する③家畜のパフォーマンスが向上する――などを挙げた。

セミナーでは、シドニー大学のアーロン・カウイーソン教授が「フィチン酸フリー栄養」、メリーランド大学のロゼリーナ・エンジェル教授が「ブロイラーおよび採卵鶏におけるカルシウムとリン」、マドリード工科大学のゴンザロ・マテオス教授が「鶏と豚の飼料給餌と栄養:飼料テクノロジー」、養鶏コンサルタントのポール・ティルマン博士が「米国養鶏産業の未来予想図」と題して講演した。

(詳しくは本紙をお読みください)