KMバイオロジクスの菊池研究所、合志事業所を視察 都丸養鶏研究会
都丸養鶏研究会(都丸雄一会長―事務局・㈱トマル内)は9月10日に秋季視察研修旅行を実施し、KMバイオロジクス㈱(永里敏秋社長―本社・熊本市北区)の菊池研究所(熊本県菊池市旭志川辺1314-1)と合志事業所(熊本県合志市栄3766-1)を視察した。
熊本空港に集合した参加者49人は、バス2台に分乗して菊池研究所を車内から視察した後、合志事業所に移動。
KMバイオロジクスの岡村宏動物薬事業本部長が「我々は昨年7月に、明治グループの一員として株式会社になったが、株式会社1年生にとっていろいろと勉強させられる1年間であった。このような中でワクチンの供給だけでなく、何か皆様のお役に立てることはないかという視点を大切にしながら営業活動を行なっている。皆様からの言葉一つひとつがワクチン開発のヒントであり、活力でもある」などとあいさつして出迎えた。
KMバイオロジクスは(一財)化学及血清療法研究所が行なってきたヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤などの事業を承継した。
ヒト用ワクチン事業では、インフルエンザや日本脳炎をはじめとする様々なワクチンの開発・供給を通して、感染症の予防と公衆衛生の向上に貢献している。
動物用ワクチン事業では、鶏や豚など畜産動物の感染症を予防するワクチンの開発・供給を通して、畜産物の安定供給と食の安全・安心を支えている。
菊池研究所は、KMバイオロジクスの研究開発の中核的役割を担っている。24万8000平方メートルの広大な敷地の中で、バイオテクノロジーの拠点として先端研究から量産開発までを行なう設備を有している。いち早く遺伝子組み換え技術や細胞融合技術などの先端的な研究に取り組み、国内初の遺伝子組み換えB型肝炎ワクチンの開発などで成果を上げている。
研究所内のプラントでは、微生物や動物細胞の大量培養・精製技術を確立しており、遺伝子組み換えたんぱく製剤など、先端技術を駆使した製品を開発。新型インフルエンザの発生に備え、より短期間で大量のインフルエンザワクチンを生産するための原液生産施設もあり、鶏卵を用いない細胞培養法によって、約5700万人分の新型インフルエンザワクチンを約6か月で供給できる。
合志事業所は、2017年10月にワクチンの製剤化・供給の拠点として国の助成を受けて竣工した。本社・熊本事業所と菊池研究所のほぼ中間に位置し、新型インフルエンザの発生時には、国民の約半数に当たる5700万人分の新型インフルエンザワクチンの製剤化を担う事業所となる。熊本県内の各事業所がそれぞれ持っているワクチンの製剤化の技術と品質試験検査を集約する予定で、稼働開始に向けて準備作業を行なっていた。合志事業所では、バイアル瓶とシリンジ(注射筒)へのワクチン溶液の充てん、検査、包装工程を見学通路から視察した。
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