環境対策、畜産GAP、穀物備蓄も
「畜産生産力・生産体制強化対策事業」は、肉用牛・乳用牛・豚・鶏の改良や飼料作物の優良品種の利用を推進するとともに、肉用牛の繁殖肥育一貫経営や、国産飼料の一層の増産と利用の拡大のための体制整備により、畜産の生産力と生産体制の強化を図るもので16億3600万円(前年度13億8300万円)。鶏でも始原生殖細胞(PGCs)保存等技術の活用により改良の加速化等を支援する。
「土づくり対応型・畜産環境対策支援」は、畜産農家が耕種サイドのニーズに対応した〝土づくり堆肥〟の生産・流通を促進する取り組みや、地域で深刻化している悪臭問題や規制が強化されつつある排水基準などに対応する高度な畜産環境技術を導入する取り組みを支援し、家畜排せつ物の地域偏在や悪臭・水質汚濁などの畜産環境問題の解決を推進する。畜産農家が耕種農家や肥料メーカー等と協議会を設置して取り組む場合、国から定額または2分の1以内の補助を受けることができる。予算は〝強い農業・担い手づくり総合支援交付金〟296億700万円(同230億2400万円)の内数。
「畜産GAP拡大推進加速化」は1億6500万円(同1億8300万円)。畜産の競争力強化を図る観点から、畜産GAPの普及・推進体制の強化を図るための指導員等の育成や、GAP認証取得等の取り組みを支援する。
「飼料穀物備蓄対策事業」は17億5000万円(前年度と同額)。配合飼料製造事業者等が、不測の事態に備えて策定している事業継続計画(BCP)に基づき実施する飼料穀物の備蓄、国内の災害時における配合飼料の緊急運搬、関係者の連携体制の強化等の取り組みを支援することにより、配合飼料の安定供給を確保し、畜産経営の安定を図る。民間団体を通じて補助する。
「水田活用の直接支払交付金(飼料用米関連部分)」は3215億円(同)。水田を利用した飼料用米、麦、大豆などの戦略作物等を生産する農業者を支援する。
「米活用畜産物等ブランド化推進事業」は3500万円(前年度2900万円)。飼料用米を活用した畜産物のブランド展開や、全国展開への取り組みなどを支援する。
「農林水産物・食品の政府一体となった輸出力強化」の輸出関係予算総額は707億3200万円(同203億6800万円)。2020年以降のポスト1兆円目標実現のため、司令塔組織創設を含む農林水産物・食品の輸出環境の整備、GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)グローバル産地づくりの強化、海外需要の創出・拡大・商流構築、動植物検疫の体制整備、食産業の海外展開等の推進、輸出拡大に関する研究開発・技術実証等を行なうことで、国産農林水産物・食品の輸出を促進する。