令和2年の種鶏導入計画 ブロイラー減少、レイヤー増加

(一社)日本種鶏孵卵協会(都丸高志会長)は7月8日にブロイラー、9日にレイヤーの種鶏導入調査と素ひな計画生産検討会を開いた。調査から推計した全国の種鶏導入羽数は、ブロイラー種鶏は令和2年が前年比2.6%減、令和2年度が前年度比2.2%減と見込まれるものの、種鶏のひな生産能力の向上により、ひなえ付け羽数が前年を上回っても、ひなの供給に余力があると見込まれる。レイヤー種鶏は令和2年が前年比0.9%増、令和2年度が前年度比1.8%増と見込まれ、ひなの供給に余力があると見込まれる。

ブロイラーひなの供給に余力

全国のブロイラー孵卵場52社(場)から集計した種鶏導入計画羽数は、令和2年が480万434羽で前年実績(480万8580羽)に比べ0.2%減、令和2年度が478万3220羽で前年度実績(484万1731羽)に比べ1.2%減少する計画。

地域別では、令和2年と令和2年度とも、東日本と中四国が増加し、九州が減少の見込み。

導入調査のカバー率(97.5%)などを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、令和2年が485万1000羽で令和元年次統計実績(498万羽)に比べ2.6%減、令和2年度が485万7000羽で令和元年度統計実績(496万8000羽)に比べ2.2%減の見込みとなっている。

羽色別の種鶏導入計画は、令和2年は白色羽系が前年比0.3%減、有色羽系が同7.7%増、地鶏系が同1.7%減。令和2年度は白色羽系が前年比度1.2%減、有色羽系が同3.0%減、地鶏系が同1.4%減。全体の構成割合は、令和2年が白色羽系97.1%、有色羽系1.9%、地鶏系1.0%。令和2年度が白色羽系97.2%、有色羽系1.8%、地鶏系1.0%となる。

近年、種鶏のひな生産能力が著しく向上していることと、種卵採取期間を実態に合わせるため、種卵採取開始日齢を従来の180日齢(6か月齢)から183日齢、採取期間を270日(27~64週齢)から259日(183~441日齢)、種鶏1羽当たりCHCを146.21羽から158.36羽に変更した。

これを基に試算したブロイラーひなの生産能力は、令和2年が7億7611万羽(前年比6.2%増)、令和2年度が7億7396万羽(前年度比4.8%増)となる。

令和2年と令和2年度のコマーシャルひなえ付け羽数が前年比1.5%増と仮定すると、ひな需給は、令和2年が1124万羽、令和2年度が627万羽の供給余力が見込まれる。

令和2年 ブロイラー種鶏導入と素ひな生産能力

レイヤーひなも供給に余力

全国のレイヤー孵卵場23場から集計した種鶏導入計画羽数は、令和2年が111万7190羽で前年実績(109万680羽)に比べ2.4%増、令和2年度が110万250羽で前年度実績(108万8820羽)に比べ1.0%増加する計画。

地域別では、令和2年は東日本(北海道から関東甲信越まで)と中部が増加し、中四国・九州が減少。令和2年度は東日本と中四国・九州が減少し、中部が増加する見込み。

導入調査のカバー率(年次で92.0%、年度で93.1%)などを基に推計した全国の種鶏導入羽数は、令和2年が119万6000羽で前年(118万5000羽)に比べ0.9%増、令和2年度が119万羽で前年度(116万9000羽)に比べ1.8%増の見込みとなっている。

卵殻色別種鶏導入計画は、令和2年は白色卵が前年比7.2%増、褐色卵が同0.8%減、ピンク卵は同20.9%減。令和2年度は白色卵が前年度比0.9%増、褐色卵が同4.5%減、ピンク卵が同28.0%増。全体の構成割合は、令和2年が白色卵64.5%、褐色卵29.0%、ピンク卵6.5%。令和2年度が白色卵62.2%、褐色卵29.2%、ピンク卵8.6%となる。

種鶏の育成率97%、供用期間308日(44週、25~68週齢)、種鶏1羽当たりひな生産羽数を白色卵鶏100.9羽、褐色卵鶏91.2羽、ピンク卵鶏104.6羽などとして推計した素ひな出荷能力は、令和2年が1億1366万羽(前年比0.8%減)、令和2年度が1億1288万羽(前年度比1.9%減)の見込み。

令和2年5月以降のコマーシャルひなえ付け羽数を前年並みと仮定すると、ひな需給は、令和2年が420万羽、令和2年度が343万羽の供給余力が見込まれる。

令和2年 レイヤー種鶏導入と素ひな生産能力