新刊紹介 ニワトリの卵から考えるアニマルウェルフェア 新村毅著

㈱化学同人(本社・京都市)は、科学や社会問題を分かりやすく解説する「DOJIN選書」の最新刊として、このほど東京農工大学農学部教授の新村毅氏による『ニワトリの卵から考えるアニマルウェルフェア―科学の視点で動物の幸せを考える―』【写真】を刊行した。
本書は、近年関心が高まるアニマルウェルフェア(AW、動物福祉)について解説した一般向けの書籍。「アニマルウェルフェアとは何か」「なぜ今、関心が高まっているのか」を幅広い読者に具体的なイメージを持ちながら理解してもらえるよう、ニワトリと卵を題材に動物福祉の考え方を分かりやすく紹介している。アニマルウェルフェアをめぐる基本的な考え方のほか、ニワトリはどのような動物かといった解説や、アニマルウェルフェアの実現に向けて進められている研究も紹介しており、動物福祉を科学的な視点から学べる内容となっている。
第1章「アニマルウェルフェアって何?」、第2章「ニワトリはどんな動物?」、第3章「ニワトリにとっての『幸せ』とは何か?どうやって満たすことができるのか?」、第4章「アニマルウェルフェアは今どんな状況?」、第5章「ワンウェルフェアって何ですか?」、第6章「アニマルウェルフェアはどこに向かうのか?」で構成されている。
日本の鶏卵生産者については、第4章「4.6 日本のアニマルウェルフェアの今」で、「日本人は生真面目な部分があり、ケージフリーでないとアニマルウェルフェアではないと考えている生産者も多い。確かに、高度にアニマルウェルフェアを実行しようとすればケージフリーという選択になるのだが、ケージ飼育でも五つの自由のうち正常行動発現の自由以外の4項目をしっかり満たすことで、アニマルウェルフェアを大きく向上させることができる。この意味において、大多数の生産者は、長年にわたってアニマルウェルフェアに取り組み最適化を図ってきており、今もアニマルウェルフェアに取り組んでいるといってよいだろう」と記している。
新村氏は動物福祉学、システム行動生物学を専門とし、日本農学進歩賞や文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。家畜の行動や福祉に関する研究を進めている。
四六判、232ページ。定価2,090円(本体1,900円)。問い合わせは同社編集部(電075-352-3711、ホームページ=https://www.kagakudojin.co.jp)へ。


