マルイ食品の〝キューブ・エッグ〟竣工 日本最大級の鶏卵GP

毎時36万卵、日産140トンを処理

マルイ農協グループで鶏卵や鶏肉の処理・加工・販売を行なうマルイ食品㈱(上田正会長兼社長―本社・鹿児島県出水市平和町225)は、昨年から建設を進めてきた出水GPセンター(出水市高尾野町大久保3816)が完成したことから、5月1日に関係者らを招いて見学会と落成祝賀会を開いた。

出水GPセンター
出水GPセンターは、マルイ農協の組合員が生産する鶏卵を受け入れて洗卵・選別・包装する工場で、敷地面積は約2万8000平方メートル、建築面積は約1万4000平方メートル。鶏卵の品質向上と作業の効率化を目指し、約37億円をかけて最新設備と最新システムを導入した。建物内は原料卵の受け入れと洗卵工程を汚染区、自動倉庫と包装工程を非汚染区としており、洗卵工程と自動倉庫、包装工程を分離している。

GPセンター内の設備は、アームロボットを使いパレット式で原料卵を洗卵機に供給するデパレタイザーや、㈱ナベル(南部隆彦社長―本社・京都市南区)製で画像解析により〝大破卵〟を判定・排除する大破卵検査装置、汚卵検査装置、ひび卵検査装置、異常卵検査装置、自動鶏卵選別包装装置「カノープス12000」(毎時12万卵)、タワー型システムの自動倉庫、自動パック詰め機(毎時3万6000卵)などを導入。

洗選別機の処理能力は毎時12万卵×3台で36万卵(旧出水GPセンターは毎時24万5000卵)。約60トン(約97万個)の鶏卵を収容できる自動倉庫が3つあるため、洗卵・選別を終えた鶏卵を合計180トン保管できる。自動パック詰め機は12台(4ライン×3台)あり、日産140トンの日本最大級のGPセンターとなった。

出水GPセンターの愛称は、巨大な四角いたまご工場を表す〝CUBE EGG(キューブ・エッグ)〟で、原卵室や選別室、自動倉庫、包装室を専用通路からで見学できる。マルイ農協グループの取り組みや、GPセンターでの鶏卵の受け入れから出荷までの流れ、鶏卵に関する様々な情報などを紹介するパネルを掲示しており、工場見学の受け入れ態勢も整えている。

落成祝賀会
出水市のホテルキングで開いた落成祝賀会では、主催者を代表してマルイ食品の上田正会長兼社長が取引先各社の日頃からの支援と、GPセンターの建設工事に携わった関係者に謝意を表し、「新GPセンターは、我々の鶏卵生産農家の経営を後の世代まで発展的に引き継ぐべく、飼養羽数の増加に対応しつつ、鶏卵処理能力の向上と処理コストの低減、さらに鶏卵自体の品質向上につなげることを目的に建設した。施設の規模としては、建築面積が約1万4000平方メートル、総工費が約37億円。このうち国庫補助金の約10億円や、借入金の一部に国の6次産業化認定資金を活用させていただくなど、ご支援いただいた。

新GPセンターは日産140トンと日本最大級の工場となった。わが社にとっても1つの工場としては過去最大級の投資であったものの、衛生的な設備、真新しい機械、タワー型倉庫、事務室、会議室、食堂フロアなど、こうした快適な職場で働けるスタッフの方々は幸せなことだと思う。ぜひ投資の成果を求め、より一層業務に励んでほしい。

昭和32年にわが社の母体であるマルイ農協が設立され、昨年60周年を迎えた。その節目の年に新GPセンターの建設に着手し、本日、皆様に無事お披露目できることに大きな喜びを感じるとともに、やや大げさではあるが、一種の運命的なものを感じる。

新GPセンターは、この組織が100周年に続くための布石の1つである。現状を鑑みると、マルイ農協グループでは設備の老朽化が進んだ工場も多く、同時に労働力不足も深刻化している。これからの時代に対応するために、今後も絶え間なく設備の最新化や省力化などを進めていきたい。

新GPセンターの愛称は〝CUBE EGG(キューブ・エッグ)〟とし、見学コーナーを設置して多くの方々に親しみやすい工場を目指した。地域にあっては災害時の避難場所にならないかとも考えている。私どもは協同組合が母体であり、経済活動の一方で地域との共生や社会貢献も視野に入れて取り組んでいく。本日の新GPセンター落成を機に、気持ちを新たに業務に励んでいく所存である。今後ともこれまでと変わらぬご厚情、ご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げる」などとあいさつした。

多数の来賓を代表して衆議院財務金融委員長の小里泰弘衆院議員、出水市の大橋勇太副市長、鹿児島県議会の伊藤浩樹議員が祝辞を述べた。

小里衆院議員は「マルイ農協グループの原点は、同じ志を持つ人たちがお互いに集まり、助け合い、創意工夫をしながら効率的な営農をし、さらに付加価値をつけて高品質で安全・安心な商品を、消費者の皆様に責任を持って届けていくところにある。まさに生産から加工、販売に至るまで、日本の6次産業化のはしりとも言うべき存在である。さらにひなの生産や飼料の製造まで手掛けていることを考えると、6次産業化どころか7次産業化、8次産業化とも言えるわけであり、日本の農業にモデル的な姿を大きく提示している」などと称えた。

大橋副市長は「本日落成した新GPセンターは鶏卵生産者の増羽計画をサポートするものであり、出水市でも非常に重要な事業として支援させていただいた。6次産業化地産地消法に基づく総合事業計画にも認定されており、鶏卵の生産から選別、加工、流通、販売までの一貫にわたり工程管理を行なうことによって、安全・安心な鶏卵を作っていただいていると理解している」とし、伊藤県議は「昭和32年9月12日に出水養鶏農業協同組合が発足して以来、マルイ農協グループは出水市の基幹産業として、この地域だけでなく、広域にわたって貢献されていることは周知のことだと思う。昨年は設立60周年を迎え、新たにGPセンターの落成で、マルイ農協グループが大きく飛躍すると確信している」とした。

GPセンターの建設に尽力した㈲野添建築設計事務所、㈱桜木組、㈱平岩熱学、池田機工㈱、㈱ナカグマ、㈱九州テラオカ、㈱ナベルの各社に、上田会長兼社長から感謝状が贈られた。

大阪いずみ市民生活協同組合の勝山暢夫理事長が「大阪に帰ったら〝キューブ・エッグ〟ができたと職員や組合員に伝えたい。当組合が扱う鶏卵は宅配で100%、店舗で80%がマルイ食品であり、〝マルイのたまご〟がなければ事業ができない。今回の新GPセンターの落成はとてもうれしい」などと述べて乾杯し、なごやかに歓談した。

この間、水俣病犠牲者慰霊式から駆けつけた出水市の椎木伸一市長が「このGPセンターは、鶏卵生産者の経営安定化や規模拡大のために非常に重要なものだとうかがっており、出水市の経済にとっても大変ありがたい」などと祝辞を述べたほか、マルイ食品の山下悦男取締役鶏卵事業本部長、上村広明鶏卵販売部長、山田一成鶏卵関西事業部長、井上和徳鶏卵製造部長、篠原義広出水GPセンター工場長があいさつした。

マルイ食品の宇都浩司常務取締役が「どんなに大きな設備でも、良い機械でも、使うのは人間である。GPセンターの建設に尽力された方々、日頃からわが社の商品をご愛顧いただいている方々、地域の方々に『マルイのたまご、キューブ・エッグのたまごは日本一』と胸を張って言っていただけるような商品を届ける企業に向けて従業員一同、一丸となってまい進していきたい」と述べ、三本締めでお開きとなった。

【〝キューブ・エッグ〟の愛称がついたマルイ食品出水GPセンター】