「クリーン・リフレ」による畜舎の空間消毒・表面消毒、車両消毒 アクト

鳥インフル対策への活用に期待

㈱アクト(内海洋社長―本社・北海道帯広市大通南16-2-2)は、農畜産施設の設計・施工や無塩型次亜塩素酸水「クリーン・リフレ」の製造・販売、厳寒期でも凍結しない環境配慮型車両消毒装置などで北海道を中心とする農畜産業をサポートしている。

同社は、10年以上前から電解無塩型次亜塩素酸水「クリーン・リフレ」で畜舎の空間消毒や表面消毒などに取り組んできたが、車両消毒システムも含め、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルス対策にも効果的に使用できる可能性が出てきているとしている。

ウイルス学雑誌Archives of Virology.Vol.159.pp.405-412(2014)におけるシオ・タマキ(Shio Tamaki)らの論文「鳥インフルエンザウイルスに対する酸性電解水および中性電解水の殺ウイルス効果(Virucidal effect of acidic electrolyzed water and neutral electrolyzed water on avian influenza viruses)」では、酸性および中性電解水がHPAIウイルスの不活化に効果的であることが実験環境下で確認されている。

この論文には、様々な有効塩素濃度とpHの試験液を、特定濃度のウイルス液と混ぜ合わせた結果、どの試験液がどれだけウイルス量を減らしたかが示されており、その内容をまとめると次のようになるとのこと。

①ウイルス液:試験液の混合比(1:99) 反応時間:1分
11.3ppmの中性電解水(pH6.4)処理では鳥インフルエンザウイルス不活化活性は認められなかったのに対し、32.4~41ppmの中性電解水(pH6.4)処理では99.9%以上のウイルスの不活化が認められた。

②ウイルス液:試験液の混合比(1:99) 反応時間:1分
酸性電解水(pH1.5~2.5)の鳥インフルエンザウイルス不活化効果は、塩素濃度に依存せず強く発揮され、その効果は有効塩素濃度がゼロでも変わらなかった。

▽電解水のウイルス不活化効果の評価=ウイルスを含む尿膜腔液10μl(マイクロリットル)を各電解水サンプルまたは水道水990μlに加え、よく混合。混合物を室温で1分間維持し、リン酸緩衝食塩水で10倍段階希釈した。原液および各希釈溶液100μlを発育鶏卵の尿膜腔に接種し(各希釈卵2個)、37℃で4日間孵卵。卵から回収した尿膜腔液に対し赤血球凝集試験を行ない各卵におけるウイルス増殖の有無を判定し、ウイルス力価[50%卵感染量(EID50)]をベーレンス・カールバー法を用いて計算。

なお、予備実験では、電解水サンプルに毒性がないことを確認。電解水で処理したウイルスは17日間保存した後、前記の方法で再度ウイルス力価を測定し、ウイルスが不可逆的に不活化されていることを確認している。

この論文結果からアクトでは「pHが2.5以下の電解水の場合は有効塩素濃度に関係なく、またpHが6.4~7.4の電解水の場合には有効塩素が32.4~40ppm以上あれば、鳥インフルエンザウイルスを不活化する効果が発揮されることが実験室で証明された。野外応用において、実験室と同様な使用条件が満たされれば、効果が期待できると考えられる」とし、同社の三室型の電気分解装置クリーン・ファインで食塩水を処理して得られる「クリーン・リフレ」や、アルカリ電解水と混合して作る「ニュートラル・リフレ」(pH6前後)が、鳥インフルエンザウイルス対策に効果的に使用できる可能性を示していると説明。

同社では「クリーン・リフレとして出荷するものは厚生労働省が食品添加物(殺菌料)として指定する弱酸性次亜塩素酸水に相当するもので、使う場所を選ばず、人や動物にも使用できる安全な除菌水。鳥インフル対策にもアクトの畜舎除菌システムと弱酸性クリーン・リフレを併用することで、徹底した対策を行なえる。さらに車両消毒装置を適切に用いれば、人体や畜(鶏)体に悪影響を与えることなく、効率よく畜舎内環境や畜舎に出入りする車両などの洗浄・除菌が可能であり、高い技術力のある当社に気軽に相談してほしい」としている。

詳細は同社(電0155-20-4510)へ。