各数値はやや緩和傾向に 米国農務省穀物需給予測  

価格は依然、高値圏で推移

米国農務省(USDA)は7月12日に公表した農産物需給予測月報(WASDE)で、今秋収穫する21/22穀物年度の予測を公表した。トウモロコシの収穫面積と予想単収などは、6月30日公表の作付面積予測(Acreage Report)に基づいている。

トウモロコシ

21/22年度の米国産については、期初在庫が前年度の飼料その他向けの上方修正により2500万ブッシェル減ったが、生産量が1億7500万ブッシェル上方修正されたため、連動して供給量と飼料その他向けの使用量、輸出量も上積みされたものの、期末在庫も75000万ブッシェル上方修正された。

世界についても、21/22年度産は生産量が495トン、期末在庫が177トン上方修正された。

この結果、平均農家販売価格は前月予想より10セント下がったが、前年度比では1.20ドル高の5.60ドルになるとしている。

大豆

21/22年度の米国産については、前月予想から大きく変わっていない。20/21年度は輸出入量と搾油量が下方修正されたが、供給量と使用量の合計は変わらず、期末在庫も変わっていない。ただ、21/22年度の大豆ミールの期末在庫が、供給量の増加により5万ショートトン上方修正され、1ショートトン当たり平均価格も5ドル下方修正され395ドルとなった。

世界については20/21年度の期末在庫が349万トン上方修正され9149万トンとなり、21/22年度の期末在庫も194万トン上方修正され9449万㌧となった。中国の大豆輸入量が前月予想から20/21年度は200万トン、21/22年度は100万トン下方修正され、21/22年度は1億200万トンとなったが、国内総使用量は変わっておらず、21/22年度は1億1970万トンとなっている。

7月の大豆需給予測は総じて前月予想に比べるとやや緩和し、20/21年度の米国産大豆の平均農家販売価格は、期初の低価格での販売を加重平均しているとの理由で前月予想より20セント下方修正され、21/22年度の平均農家販売価格も15セント下方修正されたが、前年度より2.65ドル高い13.70ドルとなっている。

シカゴ相場は乱高下

シカゴ相場は、6月30日公表の作付面積予測で発表された作付面積が、大方の予想に反して減少したことに投資家らが反応し、翌7月1日にかけて急騰。

トウモロコシの12月限は5ドル40セント前後から再び6ドル台を突破。大豆も11月限は12ドル95セント前後から14ドル台を超え、7月限は13ドル40セント前後から14ドル70セント前後まで、約1ドル30セント前後上昇した。

米国南部では干ばつの激化もあって「7月上旬の天候次第で再び年初来高値を一時的に更新する可能性もある」との現地報道もあったが、作柄への影響は、まだ米国内外の一部で干ばつなどがみられるなど予断を許さないものの、大きな被害はひとまず回避されたとみられ、利益確定売りも出て、7月第1週に約1ドル急落。18日現在はトウモロコシ(12月限)5ドル62セント前後、大豆(11月限)14ドル14セント前後で推移している。