農林漁業者・中小企業者への支援対策 千葉県が台風被害で示す
千葉県は10月17日、台風15号により被災した県内の農林漁業者の経営再建に向けた支援制度を設け、市町村や関係団体向けの説明会を各地で行なった。台風15号では、採卵鶏を含む畜産業の被害も大きく、各業種から支援の要望も受けたことから、県独自の支援策を行なう。養鶏を含む畜産経営関係は次の通り。
①被災した農業用ハウス(畜舎含む)や機械の復旧・撤去費用の国の補助分(補助率10分の3以内)に、県独自で被災者の負担が10分の1以下になるよう上乗せする(共済加入者は国3~5割、県2~4割、市町村2割。共済未加入者は国3割、県4割、市町村2割、事業費20万円以上)
②停電や断水で斃死した採卵鶏や乳牛、繁殖豚を新たに導入する費用を県独自で支援する(補助率2分の1)
③被災した中小企業の施設修繕費や設備廃棄費などを補助する(補助率3分の2、上限500万円)
このほか千葉県では、国の支援策と協調して実施する共同利用施設(農協施設など)の復旧支援なども用意している。
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埼玉県でも県独自の支援策をまとめた。長野県では、被害が大きかった果樹の樹勢回復のために県独自の緊急対策費用を検討しており、畜産からも相談があれば対策を検討するとのこと。宮城県では、牛用の稲わらが相当量流され、支援してほしいとの声が寄せられて調査に動き出しており、他の畜種からの声もあれば合わせて調査したいといった話が聞かれた。
諸支援制度の運用は各自治体で異なるが、窓口に問い合わせたり、団体で要望することで、対応が示されたりする場合もあるため、各自治体の畜産担当部署や窓口などに相談すると良いようだ。