卵内雌雄鑑別技術を開発と発表 ドイツのセレグト社

ドイツのセレグト(SELEGGT)社(ルドガー・ブレロ社長―本社・ケルン)が昨年11月8日付で、実用可能な卵内雌雄鑑別技術を確立したと発表し、各国のメディアや家禽業界専門誌が取り上げている。

セレグト社は、オランダの孵卵システムメーカー「ハッチテック社」が、ドイツの大手スーパー「レーベグループ」と共同で2017年3月に設立したジョイントベンチャー。ドイツ連邦食品農業省から500万ユーロ(約6億2500万円)の補助を受けて、ライプチヒ大学とも協力して卵内雌雄鑑別技術の研究を進め、雌の種卵の尿膜液(allantois fluid)には性ホルモンの硫酸エストロン(estrone sulphate)が含まれることを発見。

孵卵9日目前後の種卵に0.3ミリメートル以下の穴をレーザーで空けて、尿膜液を少量取り出し、硫酸エストロンに反応する特許取得の試薬に漬けて、人の妊娠テストのように色が変われば雌の種卵と判定される。鑑別率は約98%とのこと。

同技術で鑑別した採卵鶏の放し飼い卵は、『レスペグト(Respeggt)』とのブランド名を付けて、ドイツ国内でレーベグループが展開する「レーベ」や「ペニー」の店舗で販売し始めているという。価格は、既存の放し飼い卵より数ユーロセント高い。

国際的な普及に向けては、簡便性や鑑別精度の一層の向上、コスト低減などが課題とみられるが、同社は種鶏孵卵の現場でより容易に導入できるようにする研究を進めているとしており、2020年には一般の商業孵化場にも導入できる見込みとしている。