鶏卵生産者経営安定対策事業は23年度と同額 飼料穀物備蓄は拡充 24年度予算概算要求

農林水産省は9月30日、平成24年度予算の概算要求を財務省に提出した。
生産局畜産部では、23年度からスタートした「鶏卵生産者経営安定対策事業」は、同額の51億8900万円。事業の仕組みも変わらず、鶏卵価格が低落した場合の価格差補てん(9割補てんで、4分の3が生産者の積立金から、4分の1が国の補助金から)と、さらに価格が低落した場合の成鶏更新・空舎延長事業(この事業に取り組んだ10万羽以上の大規模生産者に1羽150円以内、10万羽未満の中小規模生産者には同200円の奨励金を交付)で、鶏卵生産者の経営安定と鶏卵価格の安定を図る。
食肉、食鳥、鶏卵などの流通合理化に向けた処理施設を整備する「食肉等の流通合理化に向けた支援事業」は、産地活性化総合対策事業のうちの産地収益力向上支援事業(食肉等流通合理化地区)52億8800万円(23年度123億3100万円、補助率2分の1、3分の1、10分の1以内)や、強い農業づくり交付金167億5100(同31億2700万円、補助率2分の1、3分の1以内)に含まれている。
「飼料穀物の備蓄対策事業」は25億2900万円(23年度13億7200万円)で、トウモロコシ・こうりゃんを40万トン(23年度20万トン)備蓄する。
飼料用米の生産農家に10アール当たり8万円を助成する「農業者戸別所得補償制度のうちの水田活用所得補償交付金」は、23年度と同額の2284億3100万円の中に含まれる。
「飼料用米農薬安全確保対策事業」は、飼料用米を籾(もみ)のまま給与する効率的な方法を推進するため、適正な農薬使用を可能とする基準づくりのための試験実施(民間団体)を支援するもので1億3200万円(23年度2億6100万円)。
「エコフィード(食品残さの飼料化)の生産拡大と利用の促進」は、民間団体への補助(定額、2分の1)で6700万円(23年度1億円)。
「多様な畜産経営の推進と競争力強化の支援事業」は、畜産生産の共同利用施設などの整備には、強い農業づくり交付金167億5100(同31億2700万円)の中で対応(事業実施主体への補助率2分の1)。新規就農などに必要となる機械などのリース支援は産地活性化総合対策事業52億8800万円(同123億3100万円)の中で対応(補助率は定額で、リース料のうち物件購入相当の2分の1以内)。畜産経営の高度化・多様化の促進への取り組み支援は、多様な畜産・酪農推進事業7400万円(同1億1300万円)のうちの畜産経営活性化サポート事業で対応(補助率は定額)。
「環境と調和した畜産経営の確立」は、畜産経営の苦情発生割合を減少させるため、浄化処理施設や脱臭施設などの整備を支援するもので、強い農業づくり交付金167億5100(同31億2700万円)の中で対応(事業実施主体への補助率2分の1)。

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