IEC京都大会開く 36か国、約500人が参加

日本で初開催

ティム・ランバート会長(左上)、上月良祐農林水産大臣政務官(右上)、西川公也内閣官房参与(左下)、秋田善祺大会実行委員長(右下)

国際鶏卵委員会(略称・IEC、ティム・ランバート会長、事務局-英国・ロンドン)は9月9日から13日まで、日本で初めての「IECグローバル・リーダーシップ会議」を京都市の京都ホテルオークラで開催した。

会議には、世界36か国から約500人(夫人を含む)が出席。日本からも会員や、IEC京都大会実行委員会の呼びかけに応えて約170人(同)が参加した。

初日(9日)の夕方には、京都鉄道博物館でIEC会長主催の歓迎会が開かれ、ティム・ランバート会長(エッグ・ファーマーズ・オブ・カナダCEO)はスピーチの中で「約500人もの出席人数は、IECのイベントの中でも過去最大だ。ありがとう。そしておめでとう」とコメント。

会議初日の10日には、ランバート会長が開会あいさつし、農林水産省や実行委員会など日本側の多大な協力によって、京都大会が盛大に開催されたことに謝意を表したうえで、来場が予定されていた齋藤健農林水産大臣が、北海道胆振東部地震の災害対応のため出席できなくなったことを報告し、日本の被災者へのお見舞いの言葉を述べた。

京都大会を後援した農林水産省を代表して、上月良祐農林水産大臣政務官が、齋藤大臣から託された歓迎のあいさつを述べ、西川公也内閣官房参与(元農林水産大臣)も祝辞を述べた。(一社)日本養鶏協会と(一社)国際養鶏協議会で組織した、IEC京都大会実行委員会のメンバーも登壇。代表して秋田善祺実行委員長が歓迎のあいさつを述べた。

上月氏はあいさつの中で、日本の1人当たり鶏卵消費量の多さや、卵の生食文化、日本料理と伝統の魅力、優れた衛生管理技術などに触れたほか、京都大会に出席した各国のIEC会員が、世界の鶏卵産業の発展に尽力していることに謝意を表し、「開催国として、伝統あるIECの歴史の一部を担うことに誇りを感じる。刻一刻と変化する鶏卵産業の状況を踏まえ、諸課題の解決に全力で取り組む決意を新たにしている」と述べた。

西川氏も「本日このように国内外から多くの方々のご臨席のもと、大会を開催する運びとなり、大変うれしく、感動している」と述べたうえで、TPP11の大筋合意など国際競争が激化する中での輸出拡大の重要性や、鶏卵産業を巡る諸課題と、日本の養鶏政策について説明した。

秋田実行委員長は、後援を受けた農林水産省やIEC本部の役職員など多くの関係者に謝意を表したうえで、「世界各国の方々が集まり、お互いに友好関係を保ち、視野を広げ、人間関係を深めること、そして情報を交換し、知識を得ること。これがIEC本来の価値ではないか。1000年以上の歴史がある、美しい日本の古都である京都を、心ゆくまで楽しんでほしい」と述べ、IEC統計作成のための日本やアジアの養鶏関連データをまとめてIEC本部に送る『IECレポーター』を長年務めた杉山道雄氏(岐阜大学名誉教授、岐阜市立女子短期大学名誉教授)を紹介。同氏の長年の功績に、会場から大きな拍手が送られた。
(大会概要は次号から)