卵アレルギー発症予防で提言 医師の管理下で生後6か月から微量ずつ食べさせる 日本小児アレルギー学会

日本小児アレルギー学会(藤澤隆夫理事長)の食物アレルギー委員会(海老澤元宏委員長)は6月16日、医療関係者を対象として「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」を発表し、同内容を同日開催の日本アレルギー学会学術大会で報道機関向けに公表した。提言は、昨年発刊された「食物アレルギー診療ガイドライン2016」や、国立成育医療研究センターで行なわれた科学的な研究成果に基づいたもの。

同提言では、食物アレルギーに特になりやすいとされる「アトピー性皮膚炎」の乳児に対し、生後半年から、医師の監督下で卵を微量ずつ与えること(提言骨子の①)や、赤ちゃんの体内で卵白に反応する抗体がつくられることが検査で分かっただけで、安易に鶏卵を避けるような指導をしないこと(同④)などを推奨。
摂取させる量は、国立成育医療研究センターの試験では1日50ミリグラム程度からだったが、すべての乳児に画一的に当てはめるのではなく、個別の状況に合わせて専門医の監督のもと摂取させ、1歳を迎えた頃に、「固茹で卵半分を食べられるか」などの試験を検討するよう提言している。
かつては「アレルギーになるのを避けるため、卵は離乳食に入れないほうが良い」などと考えられた時期もあったが、現在はこれを否定する科学的な研究成果が各国で出ており、ピーナッツについても「なるべく早く摂取を開始するほうが有益」との国際的な合意文書が発表されている。
提言の骨子は以下の通り。
①「アトピー性皮膚炎に罹患した乳児では、鶏卵の摂取が遅いほど鶏卵アレルギーを発症するリスクが高まる」というエビデンス(科学的根拠)に基づき、鶏卵アレルギー発症予防を目的として、医師の管理のもと、生後6か月から鶏卵の微量摂取を開始することを推奨する。
②鶏卵の摂取を開始する前に、アトピー性皮膚炎を寛解(症状が収まった状態に)させることが望ましい。
③乳児期の早期から発症したアトピー性皮膚炎、特に重症例では、この提言を実行するに当たり、アレルギー専門医(小児科、皮膚科)や、乳児期の同皮膚炎や食物アレルギーの管理に精通した医師による診療を推奨する。
④鶏卵の感作(抗体がつくられること)のみを理由とした安易な鶏卵除去を指導することは推奨されない。
⑤本提言は発症予防のためであり、すでに鶏卵アレルギーや、食物アレルギーが関与するアトピー性皮膚炎の発症が疑われる乳児に、安易に鶏卵摂取を促すことはきわめて危険であるため、「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠した対応をする。

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