米国産の単収・生産量などを下方修正 期末在庫も7年ぶり低水準で価格上昇

米国農務省は11月10日、農産物需給予測月報(WASDE)を公表した。2020/21穀物年度産(新穀)の予測内容は次の通り。

トウモロコシ=米国産は収穫面積、期初在庫、食品・種子・エタノールなど向けの使用量は前月予想を据え置いたが、単収は175.8ブッシェル、生産量は145億700万ブッシェル、飼料その他向けの使用量は57億ブッシェルに下方修正した。一方、輸出量は上方修正し、史上最高の26億5000万ブッシェル(約6731トン)としている。この結果、期末在庫は13/14年度以降の最低水準となる17億200万ブッシェル(約4323トン)、期末在庫率は11.5%まで減少すると予想。平均農家販売価格は40セント引き上げ4ドル00セントとした。

世界の需給は増産基調を維持しているが、ウクライナの生産量を下方修正し12/13年度以来最低の2850万トン、中国の輸入量を上方修正し1300万トンとした。

シカゴ相場(期近物)は8月中旬からほぼ右肩上がりで上昇し、11月17日現在は4ドル20セント前後で推移している。

大豆=米国産新穀は収穫面積、期初在庫、搾油量、輸出量(22億ブッシェル、約5987万トン)は前月予想を据え置いたが、単収は50.7ブッシェル、生産量は41億7000万ブッシェルに下方修正した。この結果、期末在庫は過去7年間で最低水準の1億9000万ブッシェル(約517万トン)、期末在庫率は4.2%まで減少すると予想。平均農家販売価格は60セント引き上げ10.40セントとし、1ショートトン当たり米国産大豆ミール価格も20ドル引き上げ355ドルとなった。

世界の需給は増産基調を維持しているが、ウクライナとロシアの単収を引き下げ、アルゼンチンの生産量を5100万トンに下方修正した。中国の輸入量は19/20年度分を9853万トンに上方修正し、20/21年度の期初・期末在庫を2689万トンに上方修正した。輸入量は1億トンで据え置いている。

シカゴ相場(同)は8月中旬から上昇を続け、11月17日現在は11ドル70セントまで上昇している。