目指すは〝肉の駅〟 綾瀬市の鈴木氏らが新会社設立

地元産の豚肉、牛肉、成鶏肉、卵などとともに販売を目指す『かながわ鶏』

鈴木光雄社長

2021年度の東名高速道路・綾瀬スマートインターチェンジ(仮称)開通や、22年度の「道の駅」開業を控える神奈川県綾瀬市。大消費地の東京と横浜に近く、都市型農業も盛んな同市の養鶏、養豚、肉牛の経営者4人がこのほど協力し、道の駅の指定管理者を目指す取り組みが始まった。

4月21日に資本金1000万円で立ち上げた新会社『株式会社あやせ道の駅』は、㈲鈴保養鶏園の鈴木光雄社長(〈一社〉神奈川県畜産会養鶏部会長)が代表に就き、発起人である㈲ブライトピックの志澤勝会長(〈一社〉日本養豚協会名誉顧問)らも経営に参加している。

同市初となる道の駅は、市役所近くの約1ヘクタールの土地を取得後に建設予定で、市が運営主体となる指定管理者を公募し、選定する。100台以上の駐車場を備えた休憩・観光施設として年間50万人前後の利用を見込み、地元産の肉や卵、野菜、加工品の販売だけでなく、農畜産品の加工所、飲食店などの設置計画もあるという。

自らも採卵鶏とブランド肉用鶏『かながわ鶏』を飼養し、その卵や肉、スイーツなどを直売する鈴木社長は「道の駅も競争の時代で、他と同じことをしていては厳しい。畜産、加工、直売のノウハウを持つ私たちは言うなれば〝肉の駅〟を目指していく」と力を込める。

新会社が運営主体に選ばれた際は、敷地内に野菜の観光農場を作り、消費者に畜産の魅力を伝えるための体験コーナーなども設けたいとしている。

鈴保養鶏園で同市の指定名産品『あやせのプリン』などを製造・販売し、地域とのつながりも大切にしてきた鈴木社長。豚肉、牛肉の仲間とタッグを組むことで「首都圏の人たちが楽しく畜産に触れられる場所を作りたい。また、生産者にとってもPRの舞台になればと思う。他の運営事業者との共同経営になったとしても、地元産のおいしい肉や卵をしっかりとアピールし、地域振興につなげていきたい」と話している。