外食各社の「月見」メニュー、コンビニ「おでん」発売②

おでんは新たな販売方法導入

販売各社は今年から、食品ロス削減や新型コロナウイルスへの対策として、個包装やアクリル板の設置など、新たな販売方法を導入するようになっている。消費者の安心確保を図る各社の工夫の一方で、販売方法が変わることによる影響が注目される。

セブンイレブン

冷蔵陳列する「味しみおでん」

アクリル板を設置したおでん鍋

㈱セブン‐イレブン・ジャパン(東京都千代田区)は8月25日から、総菜売り場に置くカップスープ形態の新しいおでん『味しみおでん』を、全国のセブンイレブン2万935店舗で順次発売している。

今年は「在宅」や「おうちごはん」といった新たな需要に合わせ、冷蔵で陳列・保存し電子レンジで温めるカップタイプのおでんを開発したもの。大根、たまご、白滝、ちくわ、厚揚げを盛り合わせている。価格は税抜き298円。

従来通りレジカウンター横に置く『おでん』も、つゆ(沖縄を除く)や具のサイズなどをリニューアルし、9月8日から順次発売する。おでん鍋の前面には、衛生確保のためアクリルカバーを順次設置する(一部店舗を除く)。

具材のうち「たまご」は同88円。「専用の鶏舎でとれた、コクのある黄身が特長の卵を使用。製法にこだわり、たまごへのダメージを減らすことで、柔らかい食感を楽しめます」と紹介している。

ローソン

人気の具材をまとめて注文できるローソンの「定番セット」

パックに入ったローソンの「おでん 550g」

㈱ローソン(本社・東京都品川区)は8月25日から、「Withコロナ」の新しい形でのおでんの販売を、全国のローソン1万3656店舗(ナチュラルローソン、ローソンストア100を除く)で順次始めると発表。レジカウンター横のおでん鍋の前方に、飛沫防止用アクリル板「おでんシールド」を設置し、さらに、常時ふたを閉めて、販売時のみ開ける方式とする。

商品価格は税込み90円に統一(一部のエリア商品を除く)。人気の「大根」「たまご」「白滝」など5種の『定番セット』(同398円)も用意して、購入時の接客時間や会話の削減を図る。自宅で温めて楽しみたいニーズに対応し、具材のみのセット(大根6個、たまご6個など計25個セットで同1900円)やレトルトパック入りの「おでん 550g」(大根やたまごなど7種類入り、208円)も販売している。

つゆは、フードロス削減の観点から、全国で統一した。

おでんの具材のうち「濃い黄身たまご」は、「ヨード卵・光」を使用。「黄身のコクと、白身のプリッとした食感のバランスがよいたまご」と紹介している(西日本などでは仕様が異なる)。

ファミリーマート

ファミリーマートの「和風だし香る 8品目のおでん」

㈱ファミリーマート(本社・東京都港区)は、レジ横のおでんを9月15日から全国約4800店舗(全店の約3割)で順次発売する。具材の価格は4つに集約し、定番具材のセットを3種類用意。うち2種類(セットA〈6種類、税込み582円〉とセットB〈5種類、同474円〉)には「こだわり味付たまご」(同86円)が入る。鍋のふたは常に閉めて、具は従業員が取り分け、飛沫防止パネルも10月から順次設置する。巣ごもり需要に対応した、密封包装した具材の陳列販売も一部店舗で実施する。

全店規模(約1万6300店、沖縄県除く)では、今年1月に発売した「レンジおでん」(卵なしの6種類、同358円)を10月13日から販売するが、「お母さん食堂」ブランドの「和風だし香る 8品目のおでん」(卵入りで8種類、レトルトパウチタイプ、電子レンジ不可、同213円)は既に発売中。さらにハーフカットの卵が入った、手軽な容器(カップ)タイプのおでんも10月以降各地で発売する予定。