外食、コンビニの卵メニュー 相場上昇の力に

8月の鶏卵標準取引価格は成鶏更新・空舎延長事業が発動する安定基準価格(163円)を下回ったものの、相場は大玉を中心に徐々に値上がりし、西高東低の展開となった。猛暑による供給減や、スーパーの特売需要、牛丼チェーンの卵付き商品やコンビニのおでん需要なども寄与しているようだ。9月4日からは恒例の大手ハンバーガーチェーンのンプロモーションも始まり、一層の消費拡大が期待される。

卵使用の『特撰すきやき重』売り切れ続出!! 吉野家

吉野家は卵のシズル感も強調

今年、創業120周年を迎えた㈱吉野家(河村泰貴社長―本社・東京都中央区、7月末時点1215店舗)は特別メニューを次々とヒットさせているが、8月14日からは牛サーロイン使用の「すきやき重」に生卵1個、みそ汁、漬物が付く『特撰すきやき重』(税込み860円)を約50万食限定で販売。初日から売り切れ店が続出し、翌日からは、各店で午前11時から食材が無くなるまで提供する形に変更したが、同社広報では8月下旬の販売状況を「ほとんどの店舗で売り切れる事態が続き、8月末か9月の頭には販売終了になる可能性が高い」と説明している。

過去にも、生卵が付く牛すき鍋膳を1か月に300万食以上売り上げた実績(7月25日号に特集)を持つ同社。今年5月9日に売り出した、牛丼の要素もありながら〝高たんぱく質・低糖質〟を叶えたライザップ牛サラダ(税込み540円、半熟卵を使用)は、発売から74日目の7月21日に販売数100万食を突破し、夏場の鶏卵消費を下支えした面もあるとみられる。今後も、卵を使ったメニューの販売戦略が注目される。

すき家が生卵乗る2種類の牛丼発売

すき家の『お好み牛玉丼キムチーズMix』

㈱すき家本部(小川一政社長―本社・東京都港区)の牛丼チェーン「すき家」(7月末時点1931店舗)は8月21日、生卵を使った2商品を新発売した。

このうち『お好み牛玉丼キムチーズMix』(税込み680円)には生卵、キムチ、チーズが乗る。同時発売の『お好み牛玉丼』(同520円)とともに、10月中旬まで販売する予定。

卵付きの『黄金つくねと炭火焼き鶏重』 なか卯

なか卯の『黄金つくねと炭火焼き鶏重』

各種の丼メニュー、うどんなどを販売する㈱なか卯(平山賢太郎社長―本社・東京都港区)は、8月22日から全457店舗で国産鶏卵を使った『黄金つくねと炭火焼き鶏重』(税込み690円)を販売している。

プレミアム重シリーズの第11弾。大判の鶏つくねに、色鮮やかで濃厚なコクが特徴の「こだわり卵」を添え、もも肉の炭火焼きも乗せて提供する(鶏肉はいずれも海外産)。9月末まで販売予定。

〝釜玉うどん祭〟丸亀製麺が実施中

明太チーズ釜玉

明太クリーム釜玉

㈱トリドールジャパン(本社・神戸市)が展開する讃岐うどん専門店「丸亀製麺」では9月下旬まで、全国の店舗で「明太クリーム釜玉」「明太チーズ釜玉」を販売する〝釜玉うどん祭〟を実施している。

〝釜玉うどん祭〟では釜から直接すくい上げたゆでたての麺に明太子と卵を絡めた「明太釜玉」に、和風仕立てのクリームスープを合わせた「明太クリーム釜玉」と、明太釜玉にチーズを合わせた「明太チーズ釜玉」を販売。全国のロードサイド店舗では「牛すき釜玉」も販売している。

価格は「明太クリーム釜玉」が並640円、大740円、得840円。「明太チーズ釜玉」が並590円、大690円、得790円。「牛すき釜玉」が並690円、大790円、得1030円(いずれも税込み)。

コンビニもおでん販売

セブン・イレブンの2019年度おでん鍋のイメージ

コンビニエンスストアの大手3社は、8月から今シーズンの「おでん」の販売を始めた。

セブン・イレブン(7月末時点の国内店舗数2万1005店)とローソン(6月末で1万3755店)は8月6日から、ファミリーマート(約1万6400店)は8月20日から。

今年の主な商品の税込み価格は、セブン・イレブンが「味しみ大根」86円、「味しみたまご」86円、「ふんわりだし巻き玉子」(販売地域は東北・東海)86円、「ふんわりだし巻きたまご」(同栃木、茨城、千葉、埼玉)86円、「ふんわりだし巻き」(同近畿)108円。

ローソンが「つゆしみ大根」85円、「濃い黄身たまご」90円、「ヨード卵・光 だし巻たまご」130円。

ファミリーマートが「厚切大根」85円、「こだわり味付たまご」90円、「だし巻玉子」110円など。

ローソンは8月20~24日におでん各品70円(税込み)セール、ファミリーマートは8月29日~31日は全品20%引きセールを実施した。