ファッコ社がウェブ農場ツアー開催

アジアなどから100人以上が参加

紹介された『ユーロC3マックス(EURO C3 MAX)』

イタリア・ファッコ社(マッシモ・フィンコ社長―本社・同国パドヴァ)は1月27日、「ターンキープロジェクト 農場バーチャルツアー」を催し、東南アジアを中心に世界各国から100人以上の養鶏家がウェブ会議システム「Zoom」を介して参加。同社の本社から車で約3時間のエミリア=ロマーニャ州(州都=ボローニャ)にある、最新型のエンリッチドケージ農場を訪問した。

同社は、世界の各産地で異なる自動化へのニーズや気候・環境・規制などに合わせて、鶏舎から内部機器まで必要な設備をオーダーメイドのようにオールインワンで提案・提供する「ターンキープロジェクト」を進めている。

バーチャルツアーでは、同社のフィリッポ・カラブレッタさんやエリーザ・フィンコさんらが案内役となって、同プロジェクトのコンセプトで建設された1棟15万羽規模の鶏舎2棟や、ファームパッキング施設、堆肥舎などを見学した。

ケージシステムはファッコ社の『ユーロC3マックス(EURO C3 MAX)』で、EUの基準に合わせてネストカバーやスクラッチマットなどを導入している。段数は中段にキャットウォークを挟んで5段×2の全10段。キャットウォークなしで8段などにすることもフレキシブルに可能とのこと。鶏舎の高さは8.2メートル。全幅は31メートルあり、ユーロC3マックスが6列並んでいる。奥行きは全長132㍍、うちケージ部分は120メートル。堅牢性を高めた支柱の構造や、適切な量を正確に給餌する「ホッパトロリ」と「餌ならし器」からなる給餌システムなど、細部に様々なこだわりを持って独自の設計を施していることを紹介した。

鶏は導入したばかりで、卵はかなり小玉だが、ナイアガラ式集卵システムの垂直ベルトについている樹脂製のフックは、大玉から小玉までサイズを問わず卵をしっかり保持して運ぶことや、メンテナンスも容易なことも説明。中継した鶏舎の鶏は27週齢で、産卵率は97%前後とのこと。

ファームコンピュータ『スマートワン』の画面では、室温20.3度C、湿度61%など鶏にとっても快適な状態に保たれていることを確認。

ファームパッキング施設に卵を運ぶ集卵コンベア『エッグウェイ』は、毎時6万5000卵の処理能力があり、速度調整ができるものを導入しているとのこと。自動パレタイザーなども備え、イタリアでも人件費が非常に高く、自動化が重要になっていることなどを説明した。

質疑応答の時間には、ロシア、エジプト、マレーシア、パキスタン、タイ、中国などの参加者から非常に多くの質問が出され、カラブレッタさんが中心となって、イタリアから陽気に元気に、かつ丁寧に回答した。