パック卵のロールインナーへの積み付けを自動化 共和機械

鶏卵業界初の省人化ロボット『ジーパックローダ』

共和機械㈱(友末琢磨社長―本社・岡山県津山市河面375)は、パック卵を陳列・配送・保管するロールインナーに自動で積み付ける省人化ロボット『ジーパックローダDRL-001』(シングルライン)と『ジーパックローダDRL-002』(ダブルライン)をこのほど開発し、発売した。

GPセンターで生産する商品が多様化し、包装ラインのさらなる省人化・自動化が求められる中、人の手で行なわれているロールインナーへのパック卵の積み付けは、作業者の姿勢に負担がかる重労働となっているため、積み付けの自動化装置の開発を求める声が年々高まっていた。

共和機械は業界に先駆けて、多関節アーム型ロボットを用いた省人化ロボットを開発し、深刻化するGPセンターの人手不足解消に貢献してきたことから、その実績と課題解決のノウハウを生かして、ロールインナーへのパック卵積み付け装置を開発したもの。

積み付け動作を行なう6軸多関節アームロボット

『ジーパックローダ』は、パック卵の積み付けを行なう6軸多関節のアーム型ロボットと、ロールインナーの折りたたまれた棚板を引き出す棚板開放機構で構成されたシステム。アーム先端の容器把持ヘッドの吸着ユニットにはピッチ可変機構が備わっており、パック卵の隙間(ピッチ)を可変して積み付ける。この機構によって多様な積み付けパターンへの対応を可能とした。

吸着ユニットは、レギュラーパックとフラットパックの両方に対応し、パックに応じてヘッドを交換する必要はない。パックの切り替えや積み付けパターンの変更は、タッチパネル式の操作盤から簡単に設定できる。パックを吸着するパッドはクッション性の高いじゃばら形状で、吸着時の衝撃をやわらげてパックの潰れを防止し、レギュラーパックの凹凸にも容易に吸着できる。

上流側コンベヤに、パック卵の上面と側面のバーコードラベルを読み取るパック自動識別装置をオプションで組み込むことで、種類の違うパック卵が混在する包装ラインにも設置できる。

棚板の引き出しを自動で行なう棚板自動開放機構

『ジーパックローダ』の処理能力は、DRL-001が毎時最大約2200パック(条件によって増減)、DRL-002が毎時最大約4000パック。G卵(洗卵殺菌し、サイズ選別された卵)を用いたリパック包装ラインへの設置にも対応する。

『ジーパックローダ』と、プラスチックコンテナやダンボールにパック卵を箱詰めする同社の『パックケーサ』、パレットに容器を積載する『デパレ・パレタイザ』などの省人化ロボットを組み合わせることで、GPセンターで取り扱われている様々な容器への自動収容が可能となる。パック製品包装ラインで人手に頼っていた作業が自動化されることによって、①省人化と作業時間短縮によるコストダウン②重労働作業の負荷軽減③効率化による生産性の向上――が期待できる。

ジーパックローダを導入したGPセンターでは「これまでは2人がかりでなんとか積み付けを行なっていたが、1人でも余裕をもって作業ができるようになった」などと評価しているとのこと。

共和機械は、今後もロボットを活用したオートメーション装置と、その関連装置の開発にさらに力を入れるため、同社の省人化ロボットの製品群を『ジーパックロボシリーズ』と名付け、GPセンターで高まる省人化へのニーズに応えていくとしている。

問い合わせは同社営業部(電0868-26-6600、F0868-26-6608、メール=info@kyowa-machinery.co.jp)へ。